2020.10.22 お役立ち情報
夫婦で住宅ローンを利用する方法は?条件やメリット・デメリットを解説
マイホームの購入では多くの方が住宅ローンを利用しています。
従来は夫が単独名義でローンを組むことが多かったものの、共働き世帯の増加に伴い、夫婦で協力するケースも増えてきています。
そこで今回は、夫婦で住宅ローンを利用する方法を解説しますので、マイホーム購入を検討中の方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
目次
- 1 夫婦で住宅ローンを利用するための4つの方法
- 2 夫婦で住宅ローンを組む際の条件
- 3 一人で住宅ローンを契約するメリット
- 4 一人で住宅ローンを契約するデメリット
- 5 夫婦で組む住宅ローンの連帯保証型のメリット
- 6 夫婦で組む住宅ローンの連帯保証型のデメリット
- 7 夫婦で組む住宅ローンの連帯債務型のメリット
- 8 夫婦で組む住宅ローンの連帯債務型のデメリット
- 9 夫婦で組む住宅ローンでペアローンを利用するメリット
- 10 夫婦で組む住宅ローンでペアローンを利用するデメリット
- 11 夫婦で住宅ローンを組む際の注意点
- 12 夫婦で住宅ローンを組む場合の団体信用生命保険
- 13 夫婦で組む住宅ローンに関するよくある質問
- 14 まとめ:夫婦で組む住宅ローンは将来を見据えて計画を立てよう
夫婦で住宅ローンを利用するための4つの方法
夫婦で利用できる住宅ローンは、大きく「収入合算タイプ」と「ペアローン」の2つに分類され、このうち収入合算タイプは、契約方法によって「連帯保証型」「連帯債務型」という2種類があります。
これに、通常の一人で契約する場合を含めると、次の4つのタイプに分けられます。
● ローン契約者1人の通常タイプ
● 連帯保証型の収入合算タイプ
● 連帯債務型の収入合算タイプ
● ペアローン
まずは、それぞれの特徴を理解しましょう。
ローン契約者1人の通常タイプ
ローン契約者1人の通常タイプでは、借入可能額や住宅ローン控除の効果を考慮して、夫婦間で収入の多い方を債務者とすることが一般的です。
基本的に保証人は不要であり、ローン申込者は団体信用生命保険へ加入しますので、万が一の際にも、配偶者は残ったローンを支払う必要はありません。
他の借入タイプと比較して、借入可能額は少なくなるものの、共働きでなくなったケースでも返済が家計に与える影響は少ないといえるでしょう。
連帯保証型の収入合算タイプ
夫婦の収支を合算して、一つの住宅ローンを利用できるのが「収入合算タイプ」です。どちらか一方の収入では希望額の借り入れが難しいときに使われます。
先述の通り、収入合算タイプには「連帯保証型」「連帯債務型」の2つがありますが、同じように見えて異なる点も多いので、違いを理解した上で選びましょう。
連帯保証型に登場する人物は、「契約者」と「連帯保証人」の二人です。金融機関の審査では、二人の収入を合算した額をもとに、希望借入額を返済できるかをチェックします。
返済するのは契約者が主となり、連帯保証人に債務はありません。ただし、契約者の返済が滞った場合には、連帯保証人にも返済義務が生じます。
また、住宅ローンで購入した家の所有権も、契約者のみであることが一般的です。
連帯債務型の収入合算タイプ
連帯債務型に登場する人物は、「契約者」と「連帯債務者」の二人です。つまり、夫婦二人が債権者となり、一つのローンを借りる点が連帯保証型とは異なります。
契約者が返済できなくなったときに返済義務が生じる連帯保証型に対して、連帯債務型は初めから二人に対して返済義務があります。
また所有権についても、契約者と連帯債務者それぞれが持つのも連帯債務型の特徴です。たとえば、3,000万円の住宅ローンを夫が2,000万円、妻が1,000万円の負担で契約すれば、住まいの持ち分は夫が3分の2、妻が3分の1となります。
なお、連帯債務型の住宅ローンは取り扱っている金融機関が限られるため、検討されている方はあらかじめ連帯債務型のあるところを確認しましょう。
ペアローン
ペアローンとは、一つの物件に対して夫婦それぞれが住宅ローンを契約するタイプの商品です。契約が2つあるため、金融機関の審査は夫婦それぞれの年齢や収入といった個人情報をもとに、希望借入額を返済できるかチェックされます。
返済義務は二人に対して生じます。そして、夫の連帯保証人は妻、妻の連帯保証人が夫という契約にするのが一般的で、どちらかの返済が滞った場合にはもう一方に返済義務が生じます。
所有権は、それぞれの借入額に応じて決まる点では連帯債務型と同じです。ペアローンを扱っている金融機関は多いので、金利などを見比べながら選ぶと良いでしょう。
夫婦で住宅ローンを組む際の条件
夫婦で住宅ローンを組む際の条件を以下の通りまとめていますので、それぞれの条件の違いを把握した上で、自分たちの暮らしに合ったタイプを検討してみましょう。
● 収入合算
● ペアローン
順番に解説します。
収入合算
金融機関による違いはあるものの、夫婦での収入合算利用の条件は、申込時の年齢が70歳未満であることや申込者と同居すること、安定した収入があることなどが挙げられます。
また、連帯債務型になるか連帯保証型になるかは事前に金融機関へ確認しておきましょう。
ペアローン
金融機関による違いはあるものの、夫婦でのペアローンの利用条件は、対象物件が共有名義であることや借入実行前に入籍すること、合算の借入合計額が500万円以上であることなどが挙げられます。
また、夫婦それぞれがお互いの契約において連帯保証人となる点に注意が必要です。
一人で住宅ローンを契約するメリット
ここからは、上記で紹介した4つのタイプの住宅ローンについて、利用するメリットやデメリットを紹介します。
まずは、契約者が一人の通常タイプの住宅ローンを利用するメリットから見ていきましょう。
● 審査がスムーズに進められる
● 契約していない配偶者が返済義務を負う必要がない
● 万一のときには団信で返済できる
順番に解説します。
審査がスムーズに進められる
一つ目のメリットは、住宅ローン審査がスムーズに進められることです。
契約者が一人ですから、金融機関の審査も一人に対して行われます。ペアローンのように、夫婦それぞれが審査に通らなければ利用できないといったことも避けられ、借入希望額に対して十分な収入があれば、一人で契約した方が手続きの手間や費用が掛かりません。
契約していない配偶者が返済義務を負う必要がない
住宅ローンの返済義務は契約者だけにあり、配偶者が返済義務を負う必要がないこともメリットの一つ。
仮に契約者が夫だとして、もし返済が滞るようなことがあっても、妻に返済義務が生じることはありません。
妻の収入だけでは住宅ローンの返済が難しいという場合にも、一人で契約することになりますので、将来共働きをやめたとしても、家計に与える影響は少ないでしょう。
万一のときには団信で返済できる
契約者が重度の障害を負ったり亡くなったりした場合に、保険会社が代わりにローンを返済してくれるのが、団体信用生命保険であり、残された家族が家を失うリスクを回避できることもメリットの一つです。
連帯債務型やペアローンにも団信への加入はできますが、これらは亡くなった場合でも相手の債務は残り、ローンを払い続ける必要があります。
一人で契約すれば、万一のことがあっても保険で完済されるので、債務を残さないという安心感は魅力といえるでしょう。
一人で住宅ローンを契約するデメリット
一方、一人で住宅ローンを契約することにはデメリットも存在しますので、自分たちの家づくりにどのような影響があるかを把握しておきましょう。
● 借入可能額を増やせない
● 資金を多めに用意する必要がある
順番に解説します。
借入可能額を増やせない
一つ目のデメリットは夫婦でローンを組むケースと比較して、借入可能額を増やせないことが挙げられます。
収入合算タイプやペアローンなら、夫婦の収入を合わせられるので借入可能額を増やせますが、一人で契約する場合はこの方法が使えません。
収入が少ない場合には、審査に落ちる可能性もあります。
資金を多めに用意する必要がある
手元資金を多めに用意しておく必要がある点もデメリットとなり得ます。
収入が少なくても、頭金などの資金を用意して借入希望額を少なくすれば、審査に通るでしょう。
そのためには、貯蓄を増やすか、両親から借りるといった手間が生じます。両親に支援を求める場合、その額が高額だと贈与税が課されることもありますから、注意が必要です。
夫婦で組む住宅ローンの連帯保証型のメリット
連帯保証型の収入合算を選択するメリットをまとめていますので、自分たちの家計の状況を見極めた上で、利用するのが適当であるかどうか判断して下さい。
● 借入可能額を増やせる
● 諸費用は一契約分で済む
順番に解説します。
借入可能額を増やせる
夫婦で収入を合算することで借入可能額を増やせることがメリットの一つです。
連帯保証人がパートやアルバイトなどの雇用形態でも、収入合算できる商品もたくさんあります。一人の収入では購入できなかった住まいを手に入れることも可能でしょう。
ただし、合算できる金額は、金融機関や商品などによって異なります。一例として、合算する配偶者の収入を全額含む商品もあれば、収入の50%までといった割合が決まっていることもあるので、金融機関に確認しましょう。
諸費用は一契約分で済む
2つの契約が必要なペアローンと比べた場合、連帯保証型は1契約で済むこともメリットの一つ。
融資手数料や保証料、印紙税、抵当権設定費用といった諸費用も1契約分で済み、初期費用を抑えられます。
また、ぺアローンと比べて、審査手続きにかかる時間が短縮される点もメリットといえるでしょう。
夫婦で組む住宅ローンの連帯保証型のデメリット
一方で、連帯保証型の収入合算を選ぶことにはデメリットもありますので、夫婦の家計設計に影響がないかを見極めて下さい。
● 連帯保証人は住宅ローン控除が受けられない
● 連帯保証人は団信に加入ができない
順番に解説します。
連帯保証人は住宅ローン控除が受けられない
連帯保証人では住宅ローン控除を受けられないことが、連帯債務型の収入合算を選ぶデメリットの一つです。
住宅ローンを利用する方は、所得税から一定額を控除される「住宅ローン控除」が受けられます。
連帯債務型とペアローンの場合、夫婦それぞれが所有権を持っているため住宅ローン控除も二人で受けられますが、連帯保証型の場合は保証人に所有権がないため、住宅ローン控除が受けられません。
共働きをいつまで続けるかなど、ライフプランの変化を踏まえた上での判断が求められます。
連帯保証人は団信に加入ができない
連帯保証人が団体信用生命保険に加入できないこともデメリットといえるでしょう。
団体信用生命保険に加入できるのは契約者のみで、連帯保証人は直接債務を負っているわけではないため加入できません。
そのため、収入合算者に万一のことがあっても、返済額は変わらないため、契約者の負担が重くなる場合があります。
夫婦で組む住宅ローンの連帯債務型のメリット
連帯債務型の収入合算を選択するメリットをまとめていますので、概要を把握して資金計画を立てる上での参考にして下さい。
● 借入可能額が増え契約時の諸費用も抑えられる
● 夫婦で住宅ローン控除を受けられる
● 団信に加入できる商品もある
順番に解説します。
借入可能額が増え契約時の諸費用も抑えられる
借入可能額が増え契約時の諸費用を抑えられる点は、連帯保証型の収入合算と共通するメリットといえます。
なぜなら、夫婦の収入を合算して借入可能額を増やすことで、手に届かなかった住宅も選択肢に入るからです。さらに、住宅ローン契約を一本にまとめることで、ペアローンと比べて手続き費用などの節約にもつながります。
夫婦で住宅ローン控除を受けられる
夫婦で住宅ローン控除を受けられることも、連帯債務型の収入合算を選ぶメリットです。
借入額や持分割合などによっては、一人で契約するよりも控除額を増やせる可能性があります。ただし、住宅ローン控除の対象となるのは、自分の持ち分を取得するローン部分に限られることを覚えておきましょう。
団信に加入できる商品もある
連帯債務型であれば、団体信用生命保険に加入できる商品があることもメリットの一つ。
具体例として、住宅金融支援機構が提供するフラット35の「デュエット(夫婦連生団信)」などが挙げられます。持ち分割合や返済額などにかかわらず、残りの住宅ローンが全額弁済される仕組みです。
夫婦で組む住宅ローンの連帯債務型のデメリット
一方で、連帯債務型の収入合算を選ぶデメリットもありますので、自分たちの暮らしにどのような影響があるかを把握しておきましょう。
● 取り扱っている金融機関が少ない
● 離婚しても返済義務は残る
順番に解説します。
取り扱っている金融機関が少ない
一つ目のデメリットには、そもそも取扱い金融機関が少ないことが挙げられます。
連帯債務型の住宅ローンといえば、住宅金融支援機構の「フラット35」が有名ですが、それ以外の民間金融機関で提供しているところは少ないのが現状です。
連帯債務型で契約したい方は、取り扱っている金融機関をあらかじめ探す必要があります。
また、借り換えを検討する際に、二人の内どちらかが退職して収入がないケースなどでは、借り換えができない可能性にも注意が必要です。
離婚しても返済義務は残る
離婚して婚姻関係が解消されたとしても、返済義務が残ることはデメリットといえるでしょう。
連帯債務型は夫婦二人が債務者であり、婚姻関係の有無にかかわらずローンが残っていればそれぞれに返済義務が生じ続けます。仮に夫婦どちらかが家を出て行き、賃貸住宅などに引っ越しても、住んでいない家のローンを払い続けることになるのです。
なお、住宅ローンは「自分が住むための家を購入する際に利用できる融資」ですから、その家を出ていくと一括返済を求められる可能性があります。
連帯債務者の地位を外すためには、連帯債務者を第三者に代わってもらうか、住まいを売却して住宅ローンを一括返済するなどの方法が挙げられますが、現実的にはかなりの困難が伴うことを覚悟しておきましょう。
夫婦で組む住宅ローンでペアローンを利用するメリット
夫婦それぞれが別々の住宅ローンを利用するペアローンのメリットをまとめていますので、自分たちの暮らしに合っているかどうかを検討してみましょう。
● 借入可能額を増やせる
● 契約するローン商品を変えることで金利負担を軽減できる可能性もある
● 夫婦で住宅ローン控除を受けられる
● すまい給付金を増やせる可能性がある
順番に解説します。
借入可能額を増やせる
一つ目のメリットは、収入合算と同様に借入可能額を増やせることが挙げられます。
夫婦それぞれの収入などに応じて借入可能額が決まりますので、購入できる物件の幅が広がることは大きな魅力といえるでしょう。
契約するローン商品を変えることで金利負担を軽減できる可能性もある
契約するローン商品を変えることで金利負担を軽減できる可能性があることも、ペアローンを選ぶメリットの一つです。
ペアローンは、夫婦それぞれが利用する住宅ローン商品が異なっていても問題ありません。
具体例を挙げると、夫は全期間固定金利で35年ローン、妻は変動金利で25年ローンのように金利タイプや返済期間、借入額などの異なる住宅ローンを利用することも可能です。
上手に組み合わせることで、金利負担を抑えることもできるでしょう。
夫婦で住宅ローン控除を受けられる
連帯債務型の収入合算同様、夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けられる点もペアローンのメリットの一つです。
借入額によっては、一人で契約するよりも控除額を増やせ、節税効果を高めることが可能です。これは、住宅ローン控除の上限額である5,000万円以上(認定住宅の場合)を借り入れた場合にメリットがあります。
たとえば、6,000万円の住宅ローンを一人で契約すると、控除額は上限額である5,000万円の0.7%にあたる35万円までになります。
これを、ペアローンでそれぞれ3,000万円ずつ借り入れると、住宅ローン控除額もそれぞれ0.7%ずつの21万円までとなり、トータルで42万円まで控除されます。上手に使えば、節税効果も期待できるでしょう。
すまい給付金を増やせる可能性がある
ペアローンであれば夫婦それぞれが住まい給付金制度を利用できたこともメリットであったといえるでしょう。
2022年以降の契約分の受付はされていませんが、住宅ローン控除と共にマイホーム取得による家計への負担を軽減する効果がありました。
夫婦で組む住宅ローンでペアローンを利用するデメリット
一方、夫婦でペアローンを利用するデメリットも存在しますので、自分たちの家づくりにどのような影響があるかを考慮して、利用するかどうかを判断して下さい。
● 契約時の諸費用が2倍かかる
● どちらかの収入がなくなっても返済額は変わらない
● 借り換えが難しいケースもある
順番に解説します。
契約時の諸費用が2倍かかる
収入合算での申し込みと比較して、契約時の諸費用が2倍かかる点は、ペアローンのデメリットといえるでしょう。
一人で契約する場合や収入合算タイプの場合は、ローン契約は1つであり、事務手数料や保証料といった諸費用も1契約分で済みます。
これに対してペアローンは夫婦それぞれ結ぶ2契約ですから、諸費用が2倍必要になることを踏まえてお得になるかどうかを判断して下さい。
どちらかの収入がなくなっても返済額は変わらない
どちらかの収入がなくなっても毎月の返済額が変わらないこともデメリットとなり得ます。
共働きが続くうちは問題ありませんが、産休や育休などでどちらか休職することがあるかもしれません。
また、転職などで収入が減少する可能性もあります。夫婦それぞれがお互いのローン契約の連帯保証に入りますので、債務から逃れることはできません。
連帯債務型でもいえることですが、ライフステージの変化をしっかり考慮した上で、返済計画を立てることが重要なポイントになってきます。
借り換えが難しいケースもある
借り換えが難しいケースがあることも、ペアローンを選ぶ際に注意すべきポイントです。
収入の減少や金利の見直しを目的として、別の住宅ローンに借り換えることがあるかもしれませんが、共働きをやめるなど収入が減った場合のローン借り換えは簡単ではありません。
また、契約者が単独の住宅ローンに借り換える際の注意点として、ペアローンを破棄した方は利益を得たとみなされ贈与税が課せられる場合もあります。
夫婦で住宅ローンを組む際の注意点
夫婦で住宅ローンを組む際の注意点を以下の通りまとめていますので、資金計画を立てる上での参考にして下さい。
● 借入額が大きくなることで返済の負担も増える
● 離婚すると一括返済を求められる可能性がある
● 贈与税が発生する場合がある
● 借入前に返済額をシミュレーションする
順番に解説します。
借入額が大きくなることで返済の負担も増える
当たり前の話ではありますが、借入額が大きくなることで返済の負担も増えることに注意が必要です。
出産や育児などにより共働きの継続が難しくなれば世帯収入は下がりますので、過度な借入は返済プランの破綻に繋がりかねません。
借入可能額と返済可能額は違うことを踏まえた上で、ライフステージの変化に対応可能な範囲で予算を決めることをおすすめします。
離婚すると一括返済を求められる可能性がある
離婚することにより一括返済を求められる可能性があることも、夫婦で住宅ローンを組む際の注意点の一つです。
離婚により住宅ローン契約者が家を出てしまうことになると、住宅ローンを契約した当初の条件と変わってしまい、契約違反となることが理由に挙げられます。
必ずしも一括返済を求められるわけではありませんので、離婚する場合は、金融機関に納得してもらえるような返済プランを立ててから相談に行くとよいでしょう。
贈与税が発生する場合がある
贈与税が発生する場合があることにも注意が必要です。
共有名義の住宅の持分割合は費用の出資額に応じて決めることが一般的であり、出資額を無視して持分割合を決めると、贈与とみなされ贈与税が発生することがあります。
借入前に返済額をシミュレーションする
借入前に毎月の返済額をシミュレーションすることも忘れてはいけません。
夫婦で住宅ローンを組むことは、借入可能額を増やす有効な手段ではありますが、長期にわたる返済期間では収入が下がる可能性もあります。
過度な借入は家計の破綻を招きかねませんので、無理なく返済できる借入金額を見極めて下さい。
夫婦で住宅ローンを組む場合の団体信用生命保険
夫婦で住宅ローンを利用する場合、気になる項目の一つが「団体信用生命保険(団信)」ではないでしょうか。一人で契約する場合、その契約者に万一のことがあっても団体信用生命保険によって残債は残りませんが、夫婦で契約する場合にはローンが残ることがあります。
● 収入合算タイプの団体信用生命保険
● ペアローンの団体信用生命保険
それぞれの借入れ方法ごとの違いを見ていきましょう。
収入合算タイプの団体信用生命保険
収入合算タイプの連帯保証型は、契約者のみが団体信用生命保険に加入できる住宅ローンです。
契約者に万一のことがあれば保険金で完済されますが、連帯保証人に万一のことがあっても保険は使えず残債は変わりません。
連帯債務型も基本的には契約者のみが加入するタイプですが、この場合、仮に夫が亡くなったときには夫のローンは完済されても、妻のローンは残ります。
ただし、フラット35に付帯されている「夫婦連生団信(デュエット)」のように連帯債務者も団体信用生命保険に加入できる商品だと、どちらかに万一のことがあれば、持ち分や返済割合に関わらずすべての残債を保険でカバーできるため安心です。
ペアローンの団体信用生命保険
注意しなければならないのが、ペアローンです。
ペアローンは夫婦それぞれが団体信用生命保険に加入しますが、連帯債務型のようにどちらかが亡くなり保険で完済されるという仕組みではありません。
あくまでも、それぞれのローンに対しての保険ですから、夫が亡くなっても妻のローンは残りますし、妻が亡くなっても夫の分は残ります。
互いに万が一のことがあった場合に、返済できるかという視点で考えることも商品選びのポイントの一つです。
夫婦で組む住宅ローンに関するよくある質問
夫婦で組む住宅ローンに関するよくある質問をまとめていますので、他の方の疑問点を自分たちに置き換えて考えてみましょう。
● 妻に借金がある場合収入合算で住宅ローンを借りることはできる?
● ペアローンの返済負担の割合はどのように決めるべき?
● 収入合算で住宅ローンを借りた場合離婚すると金融機関にバレる?
順番に解説します。
妻に借金がある場合収入合算で住宅ローンを借りることはできる?
収入合算で住宅ローンを借りられるかどうかは、借金の内容次第といえるでしょう。
返済に問題ないと金融機関が判断すれば融資を受けられますが、延滞により異動情報が登録されていれば、審査に通ることはできません。
ペアローンの返済負担の割合はどのように決めるべき?
共働きをいつまで続けるかなど、将来のライフプランの変化を踏まえた上で、家族で返済負担の割合を相談して決めるとよいでしょう。
返済負担の割合は、住宅の持分割合に直結する問題なので、慎重な判断が求められます。
収入合算で住宅ローンを借りた場合離婚すると金融機関にバレる?
返済予定表が届かない場合や滞納が続いた際の金融機関のチェックにより発覚する可能性は高いでしょう。
契約者が住んでいない場合は契約違反により、ローンの一括返済を求められる可能性もありますので、返済プランを立てた上で金融機関に離婚することを報告して下さい。
まとめ:夫婦で組む住宅ローンは将来を見据えて計画を立てよう
夫婦で住宅ローンを組むことで借入限度額が増え、家づくりの幅が広がることは事実ですが、毎月の返済に無理のない借入金額を見極めることが重要です。
収入合算やペアローンなど借入れ方法ごとの特徴を把握した上で、将来のライフプランの変化に合わせた返済計画を立てることをおすすめします。
ヤマカ木材では、一組ひと組のご家族にあった資金計画作りをサポートしていますので、家づくりにお悩みの方は、お気軽にモデルハウスへ足をお運び下さい。
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