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2023.11.02 お役立ち情報

病気だと住宅ローンは組めない?団信や組めないときの対処法も


病気だと住宅ローンは組めない?団信や組めないときの対処法も

この記事では、病気で住宅ローンが組めない場合やその対処法を解説します。

年収に十分余裕があっても、健康状態に問題があれば住宅ローンの審査で落とされるケースがあり、健康状態は住宅ローンを組む上で大切な指標です。

一時的な病気であれば完治後にローンを組めますが、完治が難しい持病を抱えている場合は住宅ローンを組めないおそれがあります。これからマイホームの購入を検討しているけれども持病を抱える人にとっては、解消したい大きな悩みでしょう。

本記事では、住宅ローンを組む際に加入する団信について解説し、病気で住宅ローンを組めない場合の対処法をお伝えします。健康状態が原因で住宅ローンを組めるか不安な人は、ぜひ本記事を最後までお読みください。

【この記事でわかること】

● そもそも住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは?

● 病気で住宅ローンが組めないケース

● 病気で住宅ローンが組めないときの対処法

そもそも住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは?

住宅ローンの団信(団体信用生命保険)は、住宅ローンを組む際に発生するリスクを軽減するための保険制度です。この保険は住宅ローンの返済中、契約者が死亡もしくは高度障害を負った場合に住宅ローン残高がゼロになる仕組みです。

ここでは、以下5つの項目を解説します。

  • 一般団信
  • がん保障付団信
  • 3大疾病保障付団信
  • 8大疾病保障付団信
  • 全疾病団信

それぞれの概要を把握することで契約時に選びやすくなるでしょう。

一般団信

一般団信は、契約者が死亡もしくは高度障害を負った場合に、保険金が支払われる基本的な団信です。契約者の残された家族が金銭的負担を負わずに済みます。

また、金融機関と住宅金融支援機構が共同提供しているフラット35は、団信の加入が必須ではありません。

がん保障付団信

がん保障付団信は、先述した一般団信をカバーしながら医師からがん診断をされた場合に保険金が支払われます。がんが治っても住宅ローン残高はゼロのままです。

ただし、がん保障付団信の開始前にがん診断を受けていた場合や開始日を含めて90日間以内に診断された場合は、保障されません。

3大疾病保障付団信

3大疾病保障付団信は、以下の3つの病気を患った場合に保険金が支払われます。

  • がん
  • 急性心筋梗塞
  • 脳卒中

がん団信同様に、がんは診断されるだけで保険金が支払われますが、急性心筋梗塞や脳卒中は60日以上働けない状態が続かなければ保障対象に含まれません。

8大疾病保障付団信

8大疾病保障付団信は、以下の8つの病気を患った場合に保険金が支払われます。

  • がん
  • 急性心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 高血圧疾患
  • 糖尿病
  • 腎疾患
  • 肝疾患
  • 慢性膵炎

金融機関によりますが、がんは診断時に保険金が支払われ、その他は働けない状態が続いたときに保障される仕組みです。

全疾病団信

全疾病団信は、一般団信はもちろん、すべての病気や怪我を保障する団信です。

予期せぬ健康問題に備えられますが、精神障害は保障に含まれません。

病気で住宅ローンが組めないケース

住宅ローンと健康状態は関係がないように思われますが、実は大いに関係しています。なぜなら、団信は生命保険の1種であり健康状態が悪いと加入できないからです。加入できるかどうかを保険会社が判断するため、申込の際は健康状態を告知する必要があります。

健康状態に不安があると、つい実際の健康状態よりも良い状態を書きたくなるでしょう。しかし、健康状態を偽って告知することは『告知義務違反』という詐欺行為です。

保障開始日から2年以内に告知義務違反が発覚すると保険契約が解除されます。さらに、それ以降であっても、契約者が亡くなった際に告知義務違反が発覚するなどして保険金が支払われないおそれがあります。

その場合はせっかく保険に加入していても、遺された家族は返済を続けなければなりません。返済が続けられず破たんして、住まいが競売にかけられる可能性さえあります。加入できるか自信がなくても正直に告知しましょう。

以下では、団信の告知事項について解説します。

団体信用生命保険(団信)の告知事項

団信の告知事項は、基本的に以下の3つです。

  • 告知日より3ヶ月以内に医師の治療や投薬を受けたか
  • 告知日より3年以内に特定の病気で手術や治療を受けたことがあるか
  • 現在の身体において欠損や言語、骨・視力など肉体的機能の障害があるか

特定の病気とは、具体的には以下を指します。

狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、脳卒中(脳出血・脳梗塞・くま膜下出血)、脳動脈硬化症、精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症、ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病、肝炎、肝硬変、肝機能障害、腎炎、ネフローゼ、腎不全、緑内障、網膜の病気、角膜の病気、がん、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ、糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病、子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫

※上記は一例であり、保険会社が指定する病気に限る

告知事項で該当する項目がなければ、比較的審査に通りやすいと考えられます。反対に、該当する場合は以下の項目についてもできる限り告知しましょう。

● 病気や怪我、障害などの診断名
● 原因
● 病気になった時期
● 治療・投薬を受けた時期
● 服用している(していた)薬の種類
● 入院の有無や期間
● 手術の有無や術名、手術部位
● 経過
● 現在の状態
● 検査数値(血糖値、血圧値、肝機能値など、症状に関係するもの)

例えば、食べすぎによる胸やけや、腹痛による通院であっても、期間内であれば告知の対象です。自己判断で「関係ない」などと思わず、当てはまるものはすべて記載しましょう。

持病があっても、しっかり状態を告知していて症状が安定していれば、加入できる可能性があります。

病気で住宅ローンが組めないときの対処法

ここでは、住宅ローンを健康状態が原因で組めない場合の対処法を解説します。

  • 配偶者名義で団信を組む
  • フラット35を利用する
  • ワイド団信を利用する
  • 別の保険会社を検討する
  • 治る病気であれば完治を待つのも手段の1つ

以下の5つの項目をそれぞれ確認しましょう。

配偶者名義で団信を組む

自分名義で団信が組めない場合、配偶者に安定した収入があるなら配偶者名義で住宅ローンを組むことも方法の1つです。団信の加入者が配偶者となることで告知内容が変わり、審査に通過できる可能性が出てきます。

ただし、住宅ローンを組む場合は契約者の年収に加え、雇用形態や勤続年数も審査の対象です。雇用先企業の安定性などもチェックされるため、年収が十分あっても審査に通過できない場合があることを知っておきましょう。

フラット35を利用する

先述の通り、フラット35は団信への加入が任意のため、健康状態に不安があっても住宅ローンを組めます。団信に加入せず利用する場合は、通常より0.2%ポイント程度低い金利の適用が可能です。

ただし、契約者に万が一の事態が起きた場合は家族に大きな負担をかけることになります。

ワイド団信を利用する

健康状態に不安がある場合は、ワイド団信を利用することも有効です。ワイド団信は、一般的な団信よりも引受基準が緩和されているため、持病があっても審査次第では保障を受けられます。

ただし、ワイド団信は病気のリスクを受け入れてもらえる分、保険料が高くなります。目安として、住宅ローン金利に0.2〜0.3%ポイント程度上乗せされるイメージです。また、ワイド団信自体を取り扱っている金融機関が少ないため、事前に確認が必要です。

別の保険会社を検討する

保険会社によって団信の審査基準は異なるため、他の保険会社で審査することを検討しましょう。審査基準は公開されておらず、実際に申し込むまでは結果がわかりません。

また、異なる金融機関でも同じ保険会社を取り扱っている場合は、審査に通らないことに注意が必要です。

治る病気であれば完治を待つのも手段の1つ

団信の告知義務の期間は過去3年以内であるため、完治して3年経過すれば告知せずに済みます。

ただし、高齢になるほど保険料が高くなり、他の病気を発症するリスクも上がります。返済計画にも支障が生じやすくなるため、注意しなければなりません。

団信の加入を諦めて住宅ローンが組むのはおすすめしない

団信は住宅ローンとセットで加入するものですが、「団信=住宅ローン」ではありません。いくつかの団信に審査を申し込んでいずれも審査に通過できない人は、そもそも「団信の加入を諦める」といった手段もあります。

通常の金融機関が提供する住宅ローンの場合、団信の加入が義務付けられています。つまり、団信に加入しなければ住宅ローンを借りられません。

しかし、住宅金融支援機構が提供する『フラット35』の場合、団信への加入が任意になっています。フラット35の団信を『機構団信』といいます。

機構団信に任意加入する場合、通常は金融機関が負担する団信の掛金を契約者が自分で負担しなければなりません。

団信への加入を諦める場合は、契約者に万が一のことが起こった場合に備えて、ローンの支払額がカバーできるような別の保険制度に加入しておくことをおすすめします。機構団信の掛金や保障内容を、一般の保険と比較してどちらに加入するかを決めても良いでしょう。

団信への未加入によるデメリットをカバーする保険として、例えば次のような保険が考えられます。

種類 概要
生命保険 ● 契約者が万が一、亡くなった場合に、保険金を受け取れる
● 住宅ローンの残債返済に加え、遺された家族のその後の生活を支える基盤にもなる
● 公的保証などを加味しつつ必要な金額をしっかりとカバーできるよう加入するとよい
就労不能保険 ● 病気などで働けなくなった場合、毎月一定額の保険金を受け取れる
● 一般的にサラリーマンは病気になると1年半の「傷病手当金」が受け取れるため、それを加味して加入額を設定するとよい

完治が見込める病気や怪我なら、治るまで住宅ローンの借り入れを待つのも有効です。告知義務の対象となる期間は3年間ですので、完治後その期間が過ぎるまで待つことになります。

ただし、住宅ローンの借り入れ時期は完済年齢に直結しており、ライフプランにも関わります。年齢が上がると保険の掛金も上がっていくので、「頭金を貯めたい」などの事情がない限り、この方法はあまりおすすめしません。

病気と住宅ローンに関するよくある質問

ここでは、病気と住宅ローンに関する以下の4つの質問を紹介します。

  • 住宅ローンの借り入れで健康診断書の提出は必要?
  • 医師からの処方薬は今は飲んでいなくても告知するべき?
  • 医師による治療の期間はどのようにカウントする?
  • 難病指定によって住宅ローンが免除されることはある?

それぞれ見ていきましょう。

住宅ローンの借り入れで健康診断書の提出は必要?

基本的に住宅ローンの借り入れで健康診断書の提出は必要ありません。告知内容だけで判断されます。

しかし、借り入れ金額が大きい場合や8大疾病保障特約を付ける場合など、一定の条件に当てはまる人は健康診断書の提出を求められることがあります。

医師からの処方薬は今は飲んでいなくても告知するべき?

医師からの処方は、服用指示にあたるので告知義務の対象です。

告知しなかった場合や事実と異なることを告知した場合、保障開始日から2年以内については『告知義務違反』として保険契約が解除されるおそれがあります。

医師による治療の期間はどのようにカウントする?

初診からカウントし、再診を促された場合はその期間も含めましょう。また、薬が処方された場合は服用期間をカウントします。定期検査の指示がある場合も治療の期間と考えましょう。

過去3年以内に初診日が含まれていない場合でも、継続加療があったときは告知が必要です。

難病指定によって住宅ローンが免除されることはある?

契約者が難病で住宅ローンを返済できなくなった場合、住宅ローンが免除される可能性があります。

まずは”高度障害”に該当するか確認しましょう。病気や怪我によって日常生活を送ることが著しく困難な状態であれば、免除される可能性が高いといえます。

住宅ローンが病気で組めないときは団信を比較検討しよう

年収や借り入れ状況だけでなく、健康状態も住宅ローンの借り入れ審査に大きく影響します。告知内容によって審査に通過できない場合、ほかの保険会社に審査を依頼することや、加入条件が緩和された『ワイド団信』に申し込むことなどの対策を検討しましょう。

健康状態が原因で審査に通過できない場合、「団信の加入を諦めてフラット35を利用し、別途保険に入る」「配偶者名義で住宅ローンを組む」といった方法が考えられます。さまざまな手段があるので、審査に通らなくてもすぐに諦めず別の手段を考えましょう。

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