2024.04.28 お役立ち情報
住宅ローンの連帯保証人は不要?必要なケースやリスクも解説
この記事では、住宅ローンを組む際の連帯保証人の必要性について解説します。
金融機関から融資を受けるときの条件として「連帯保証人」を求められる場合があります。住宅ローンに原則保証人は不要ですが、借りる人の資産状況や信用力によって必要となるケースもゼロではありません。
この記事では、保証人との違いや住宅ローンの連帯保証人が必要なケースなどについて解説します。これから住宅ローンの審査を受ける人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 住宅ローン審査では連帯保証人は原則不要
- 住宅ローンで連帯保証人・連帯債務者が必要になるケース
- 住宅ローンの連帯保証人を立てるリスク・メリット
- 住宅ローンの連帯保証人から外れる3つの方法
目次
そもそも住宅ローンの連帯保証人とは?
最初に連帯保証人について、以下の内容を解説します。
- 連帯保証人の役割
- 保証人との違い
- 連帯債務者との違い
連帯保証人とは何かについて、詳しく見ていきましょう。
連帯保証人の役割
連帯保証人とは、法律上債務者と同等の立場であり、同等の責任を負う存在です。金銭消費貸借契約において他人の連帯保証人になった場合、自分自身が借りたことと同様になります。
そのため、契約者(主たる債務者)がお金を払えなくなったときに、代わりに返済しなければなりません。連帯保証人には「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」がないため、債権者から真っ先に請求を受けても拒否できないのが特徴です。
「分別の利益」もないため、連帯保証人一人ひとりが債務者と同等に債務の全額を保証する義務を負います。
※参考:保証人について正しい知識を持ちましょう!|埼玉県市町村職員共済組合
保証人との違い
保証人とは、債務者が返済不可能となったときに、代わりに住宅ローンを返済しなければならない人です。保証人も連帯保証人と同じく返済義務が生じますが、連帯保証人との違いは「債務者に返済能力がある場合は、一時的に返済を拒否する権利を持っている」ことといえます。
例えば、債務者の破産や行方不明などが生じていない場合、保証人は返済を拒否することが可能です。これを専門用語で「催告の抗弁」といいます。
また、返済能力がある債務者が返済を拒否している場合、保証人は債務者の財産の強制執行を主張することが可能です。これを専門用語で「検索の抗弁」といいます。
催告の抗弁権や検索の抗弁権は、連帯保証人に行使されません。
さらに、保証人が複数いる場合は、債務者の残債を保証人の数で割って返済することも可能です。仮に残債が1,500万円で保証人が3人いる場合、1人あたり500万円までの責任しか生じません。これを専門用語で「分別の利益」といいます。
連帯保証人の場合は、すべての人が全額返済する必要があります。このように、連帯保証人には催告の抗弁と検索の抗弁、分別の利益の3つの権利はありません。
仮に債務者に返済能力があったとしても、債務者が返済を拒否すれば連帯保証人に返済義務が生じるため、金融機関から請求された場合は返済をしなければなりません。
連帯保証人には、保証人より重い責任があるといえます。
連帯債務者との違い
夫婦の収入を合算できる住宅ローンでは、「連帯保証型」と「連帯債務型」という2つの契約法が一般的です。いずれも、1人が契約者(主債務者)で、もう1人が連帯保証人または連帯債務者として契約します。
連帯保証人と連帯債務者との違いを簡単にいうと、「返済義務が生じるタイミング」です。
連帯保証型は、主債務者が返済できなくなった場合に返済義務が生じますが、連帯債務型は契約すると同時に返済義務が生じます。返済開始当初から連帯債務者にも返済義務があります。
上記の違いは、住宅ローン控除(減税)や団体信用生命保険(団信)などにも影響する点です。
住宅ローン控除の場合、連帯保証人だと受けられませんが、最初から返済義務のある連帯債務者は受けられます。また、団体信用生命保険は連帯保証人だと加入できませんが、連帯債務者は加入できる住宅ローン商品もあります。
なお、連帯債務者も先述した3つの権利はありません。
住宅ローン審査では連帯保証人は原則不要
住宅ローン審査や契約において、連帯保証人は原則不要です。なぜなら、金融機関が対象物件に抵当権を設定するからです。
住宅ローンの金額は高額であり、連帯保証人を立てるのは簡単ではありません。そのため、金融機関は保証会社を利用して債権を回収することが一般的です。
あらかじめ保証会社に保証料を支払い、万が一、債務者が住宅ローンを滞納したときには返済を肩代わりしてもらいます。金融機関は、金利に保証料を上乗せして保証人不要の貸し付けを行っています。
保証会社は物件に抵当権を設定しており、万が一、債務者が支払えないときには物件を売却して債権を回収します。
※参考:住宅ローンの連帯保証人とは?必要となるケースや立てる場合のリスクを紹介|三井住友銀行
住宅ローンで連帯保証人・連帯債務者が必要になるケース
住宅ローンの契約において、債務者が保証人等を立てることは原則ありません。ただし、一部の商品や契約法によっては、連帯保証人または連帯債務者が求められるケースもあります。
住宅ローンで連帯保証人や連帯債務者が必要になるケースは以下の通りです。
- 収入を合算する場合
- ペアローンを利用する場合
- 共有名義で物件を購入するとき
- 親の土地に子供が家を建てる場合
- 金融機関が連帯保証人を求める場合
それぞれのケースについて解説します。
収入を合算する場合
住宅ローンの借入金に対して借りる人の年収が少ない場合、親子や夫婦で収入を合算して借り入れる場合があります。審査の段階で希望借入金額に満たないケースでは、本人以外の収入をプラスすることで借入可能額を増やせる点がメリットです。
その場合、「連帯保証型」あるいは「連帯債務型」での借入となります。先述の通り、「連帯保証型」または「連帯債務型」で住宅ローンを契約する場合は、連帯保証人か連帯債務者を立てることが必要です。
ただし、単独で契約するより借入可能額を増やせるメリットがある一方で、返済額が増えるため返済不可能に陥るリスクが高まります。金融機関は、貸し倒れを防ぐ上で連帯保証人か連帯債務者を求めるため、事前に話し合っておきましょう。
ペアローンを利用する場合
ペアローンとは、夫婦二人が別々の住宅ローンを契約して1つの物件を購入する方法です。契約条件として、夫のローンには妻が連帯保証人に、妻のローンには夫が連帯保証人になる必要があります。
ペアローンのメリットは借入額を増やせることと、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられることです。夫婦の収入を合算してローンを組むため、希望に合ったマイホームを手に入れられる可能性が高まります。
節税効果が高いのも魅力です。住宅ローン控除をそれぞれが受けられるため、控除枠を最大限に利用できます。
共有名義で物件を購入するとき
ペアローンなどにもいえることですが、土地や建物などの物件所有者が共有名義になる場合は、共有名義者が連帯保証人となります。なぜなら、共有により住宅ローン契約者の持分割合が減るため、担保価値が不十分となるケースなどがあるからです。
そのため、共有名義人を住宅ローンの連帯保証人として立てるように求める金融機関が多く見られます。例えば、共有名義人である妻を連帯保証人にすると、妻の分の持分割合をプラスできるため、対象物件の担保価値が上がります。
親の土地に子供が家を建てる場合
親の土地に子供が家を建てる場合には、土地の名義人(親)が連帯保証人になるケースが一般的です。反対に、子供の土地に親が家を建てる場合でも、子供が連帯保証人になる必要があります。
住宅ローンを利用するときは、取得する土地や建物に担保を設定しますが、親の土地を利用する場合は親の土地に担保設定をする必要があります。
敷地内同居をするために親の土地に子供が家を建てるケースは多く見られますが、住宅ローンを利用する場合、親が連帯保証人になる可能性があることに留意しておきましょう。
金融機関が連帯保証人を求める場合
審査の結果、金融機関から連帯保証人を求められるケースもあります。
例えば、自営業のように収入が不安定な場合や勤続年数が短い場合、年収が低すぎる場合など、審査を通すために金融機関の判断で連帯保証人を求めることがあります。
自営業などの個人事業主は年収が高い人でも、一般的な会社員より住宅ローン審査が通りにくいのが一般的です。そのため、保証会社による保証だけでなく、連帯保証人を立てることが融資の条件になることも少なくありません。
住宅ローンの連帯保証人を立てるリスク
保証会社を使わずに連帯保証人を立てる際には、さまざまなケースを想定して、あらかじめリスクやデメリットについても把握しておくことが大切です。
住宅ローンの連帯保証人を立てるリスクは、主に以下の通りです。
- 離婚や死亡によっても返済義務から逃れられない
- 連帯保証人は住宅ローン控除を受けられない
- 自己破産したら一括返済を要求される
順番に見ていきましょう。
離婚や死亡によっても返済義務から逃れられない
連帯保証人は債務者が背負っている債務の返済責任を負うので、債務者と離婚、あるいは債務者が死亡した場合でも返済義務からは逃れられません。借りた当事者と同等の責任で住宅ローンを返済していくことになります。
離婚して家を売却したり、どちらか住み続けるほうが全額返済したりできれば問題ありませんが、それが不可能な場合は家に住まなくなったほうにも返済義務が生じます。
また、ペアローンではどちらかが死亡すると団体信用生命保険によって残債が完済されますが、残されたほうの残債は残るため、返済が続くことに変わりありません。
婚姻関係がなくなったとしても、返済し続けなければならないため、婚姻中に相手の連帯保証人になる場合はその点を考慮してから引き受けましょう。
連帯保証人は住宅ローン控除を受けられない
相手の住宅ローンの連帯保証人になった場合は、住宅ローン控除を受けられません。なぜなら、住宅ローン控除の対象は住宅ローンを実際に返済している債務者であるからです。
一方で、連帯保証人であってもペアローンを組んでいて、かつ自分も住宅ローンの債務者である場合は住宅ローン控除を受けられます。収入合算で連帯債務者となる場合も同様です。
連帯保証人として債務者と同等の返済責任を負っていても、控除を受けられず節税効果を得られない点はデメリットだといえます。
自己破産したら一括返済を要求される
住宅ローンの連帯保証人が債務超過などで自己破産した場合、主たる債務者は一括返済を求められる場合があります。
債務者が代わりの連帯保証人を立てられないとき、金融機関から「期限の利益の喪失」と見なされ、住宅ローンの一括返済を求められる場合があるからです。
ただし、債務者が滞りなく住宅ローンを返済し続けているときは、直ちに一括返済を要求される可能性は低いでしょう。
住宅ローンの連帯保証人を立てるメリット
住宅ローンを契約する際には、金融機関から紹介される保証会社を利用するのが通例です。住宅ローンの連帯保証人を立てる主なメリットは以下の2点です。
- 保証料が不要になる
- より多く借入可能になるケースもある
順番に見ていきましょう。
保証料が不要になる
連帯保証人を立てるメリットは保証料が不要になることです。
保証会社の保証料は住宅ローンの審査中に決まりますが、その額は数十万円から数百万円にもなります。
金融機関によっては、「借入額の2%」など定率制を定めているところもあれば、借入額に限らず定額制を採用しているところもあります。いずれにせよ、初期費用が増えることが懸念されます。保証会社を使わず保証人を用意すれば、保証料を抑えることが可能です。
ただし、フラット35や一部ネット銀行のように、保証会社を利用せずに住宅ローンを契約できる商品もあります。
連帯保証人は債務者と同等の責任義務があるため、兄弟や親しい知人でも断られることが珍しくありません。保証料が不要になるのはメリットですが、実際に承諾してくれないケースも想定しておきましょう。
より多く借入可能になるケースもある
連帯保証人を立てるもう1つのメリットは、住宅ローンの借入を増やせることです。
連帯保証人の収入を債務者の収入にプラスすることで、より多く借入可能になるケースがあります。借入金額がアップすると、希望の条件にあった住宅を購入できるでしょう。
ただし、連帯保証人が妊娠や病気などで働けなくなった場合、返済能力が下がるため、無理な借入は禁物です。
住宅ローンの連帯保証人から外れる3つの方法
何らかの事情により、住宅ローンの連帯保証人から外れたい人は多くいます。住宅ローンの連帯保証人から外れる方法は以下の3つです。
- 繰り上げで一括返済する
- 借り換えする
- 住宅を売却する
それぞれの方法について解説します。
繰り上げで一括返済する
住宅ローンの残債を一括で繰り上げ返済することで連帯保証人を外せます。ただし、まとまった資金が必要なため、資力のない人には困難でしょう。
繰り上げ返済をする場合は、返済後の生活資金に無理のない範囲で行うことが必要です。
借り換えする
住宅ローンの借り換えでも連帯保証人を外せます。なぜなら、他の金融機関で連帯保証人をつけない住宅ローンで契約できれば、人的保証は必要ないからです。
その物件に今後も住む人の名義でローンを他の銀行で借り換え、保証会社の保証をつけて契約します。ただし、状況によっては金融機関から新たに別の連帯保証人を求められることもあります。
なお、住宅ローンを借り換える場合、再び金融機関の審査を受けなければなりません。審査を通過すれば、住宅ローンを新たに組む諸費用がかかります。
住宅を売却する
一括返済や借り換えなどができなかった場合は、最終手段として住宅を売却するのも選択肢の1つです。
アンダーローンの場合は、売却後も手元に資金が残る可能性があるので、離婚での財産分与でよく見られます。
住宅ローン残債がある家を売る場合、抵当権がついたままでは売れないため、金融機関にあらかじめ相談して抵当権を解除してもらわなければなりません。
金融機関にとってはよくあるケースのため、不安がらずに相談してみましょう。
住宅ローンの連帯保証人に関するよくある質問
連帯保証人についてある程度の知識を持っていても、さまざまな疑問が出てくるでしょう。
- 住宅ローンの連帯保証人になれない人の特徴は?
- 連帯保証人が死亡したことはバレる?
- 他の人に頼まれて連帯保証人になるメリットはある?
ここでは、住宅ローンの連帯保証人に関するよくある質問に回答します。
住宅ローンの連帯保証人になれない人の特徴は?
住宅ローンを組むときに、連帯保証人になれない人の特徴は主に以下の通りです。
- 経営や収入が安定していない人
- 年金受給者
- 信用情報に傷がついている人
- 無職や勤続年数が少ない
上記4つのうち、どれかに該当する人は収入や信頼性に不安があると判断されるおそれがあります。
連帯保証人は、主たる債務者が住宅ローンを支払えなくなった場合、代わりに返済しなければなりません。そのため、収入や信頼性が必要です。
連帯保証人が死亡したことはバレる?
連帯保証人が死亡したことは、いずれ金融機関に知られる可能性があります。
例えば、住宅金融支援機構では連帯保証人が死亡した場合、新たな連帯保証人を立てて返済中の金融機関に申し出て、連帯保証人の変更手続きを行う必要があるとされています。
規約に違反すると、一括返済を求められるケースもあるので注意が必要です。
※参考:ご返済中の方・連帯保証人が亡くなられたとき|住宅金融支援機構
他の人に頼まれて連帯保証人になるメリットはある?
連帯保証人にとっては、いかなる状況でもメリットはありません。連帯保証人になると、債務者に代わってローン返済の義務を負うことになり、多大なリスクを背負います。
一般的に保証人より責任が重く、よほどの事情がない限りは親しい関係でも気軽に引き受けるのは避けるべきです。
住宅ローンの連帯保証人を立てるならリスクを十分に考慮しよう
一度、連帯保証人になってしまうと、外れるのは簡単ではありません。
連帯保証人になると、債務者と同等の返済責任が発生するため、万が一債務者がローン返済を滞納した場合は代わりに支払う必要があります。
連帯保証人は債務者が死亡、あるいは債務者と離婚したとしても、返済義務はそのまま残り続けます。そのため、リスクを十分に考慮した上で判断しなければなりません。
第三者に連帯保証人になることを依頼する側も、相手が受けるリスクを十分に考えましょう。
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