2025.02.28 お役立ち情報
病気・持病があると住宅ローンは組めない?団信用に入れないときの対処法も

この記事では病気や持病がある人は住宅ローンを組めるのかを解説します。
国土交通省の『令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』によると、融資を行う際に考慮する項目に”健康状態”が2位に挙がりました。
住宅ローンの借入審査では健康面が重視されるため、病気や持病などがある人はローン審査を不安に感じてしまうでしょう。
この記事では、病気や持病で住宅ローンを組めない場合の対処法や保険制度なども紹介します。ローンの借入を検討している人はぜひ参考にしてください。
※参考:令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査丨国土交通省(p.19)
【この記事でわかること】
- 病気・持病があると住宅ローンは組めないのか
- 病気・持病で住宅ローンを組めないときの対処法
- 団信(団体信用生命保険)以外の保険制度
目次
病気・持病があると住宅ローンは組めないのか
結論から言うと、病気や持病があっても住宅ローンを組める可能性はあります。病気の状態が軽い場合や病歴が数年以上前である場合は、団信の審査に通るケースが多くあるでしょう。
ここでは、以下3点の団信に関する情報を解説します。
- 住宅ローン審査に影響する団信(団体信用生命保険)とは?
- 団信(団体信用生命保険)の種類
- 団信(団体信用生命保険)の告知義務
順番に解説します。
住宅ローン審査に影響する団信(団体信用生命保険)とは?
団信とは住宅ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態となった際、生命保険会社が金融機関に支払う保険です。住宅ローン契約者の代わりに残債を保険金で完済します。
通常、保険契約者・受取人は金融機関で被保険者は住宅ローン契約者として保険契約を結びます。団信に加入しておけば、契約者の死亡などの不慮の事態が発生した際も家族はローン返済を負担しません。
団信(団体信用生命保険)の種類
団信は主に以下の3つに分けられます。
団信の種類 | 内容 | 保障対象 |
一般団信 | ● ローンの契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、住宅ローンの残債が返済される | 死亡・高度障害 |
ワイド団信 | ● 健康上の理由で一般的な団信を契約できない人などに向けた保険
● 団信の引受条件が緩やか |
死亡・高度障害 |
疾病保障付き団信 | ● 一般団信にがんや3大疾病のような保障をプラスした団信 | 3大疾病(がん・心疾患・脳血管)など |
健康状態に不安がある人は、引受条件が緩やかなワイド団信を検討してみましょう。
団信(団体信用生命保険)の告知義務
団信に加入する際は、健康状態を告知する義務があります。
告知義務違反をすると保険金が支払われなかったり、ローンの一括返済を求められたりするおそれがあります。
故意に事実と違う申告した場合でも責任を問われることがあるので、告知書に記入する際は病気になった時期や健康診断の結果を正確に記載しましょう。
お薬手帳などに過去の通院歴や投薬歴を確認しておくと、正確な内容を申告できます。
病気・持病で住宅ローンを組めないときの対処法
病気や持病などによって住宅ローンを組めないときの6つの対処法を解説します。
- ワイド団信を利用する
- 配偶者名義で住宅ローンを組む
- フラット35の加入を検討する
- 別の保険会社を検討する
- 治る病気であれば完治を待つ
- 現金一括購入を視野に入れる
それぞれの対処法を見ていきましょう。
ワイド団信を利用する
一般団信に加入できない場合はワイド団信を利用することがおすすめです。一般団信より引受条件が緩く、軽度の病気なら加入できる可能性があります。
ワイド団信は高血圧症や糖尿病などの持病を持つ場合でも保険の審査に通る場合があるので検討してみましょう。ただし、一般団信よりも金利がやや上乗せされます。
配偶者名義で住宅ローンを組む
健康上の理由などで住宅ローン審査に通らない場合、配偶者名義でローンを契約することも方法の1つです。
ある程度の勤続年数があって安定した収入が見込める人であれば、住宅ローンを組める可能性があります。配偶者の年収が高い場合は名義人になってもらいましょう。
フラット35の加入を検討する
民間の金融機関で審査が通らない場合は、住宅金融支援機構が提供しているフラット35へ加入する方法もあります。
フラット35では団信の加入が任意であり、審査に通れば住宅ローンを組めるでしょう。
ただし、万が一ローン契約者に不測の事態が発生した場合は残された家族がローン返済を負担することになるため、家族間でよく話し合ってから決めることをおすすめします。
別の保険会社を検討する
団信への加入を必須とする金融機関の場合、団信の審査に通らなければ住宅ローンの借入はできません。
健康上の理由で住宅ローンを組めない場合は、他の保険会社と提携している金融機関に新しくローン申し込みをすることも選択肢の1つです。
他の金融機関のローンを利用する場合は、提携している保険会社を確認してから申し込みましょう。
治る病気であれば完治を待つ
病気の程度が軽く近いうちに治る見込みがある場合は、完治してから住宅ローンに申し込むことも方法の1つです。
団信の告知書は3年以内の病歴が問われるケースが多く、完治してから3年以上経過していれば申告する必要はありません。
団信に加入していたほうが万が一の事態に備えられるので、完治してからの申し込みを検討してみましょう。
現金一括購入を視野に入れる
住宅ローンの審査に通るのが難しい場合は、現金一括購入も視野に入れましょう。できるだけ頭金を貯め、足りない分は親などから一時的に借りる方法もあります。
住宅ローンを利用した場合の融資手数料や利子などがかからないため、総支払額を抑えられるというメリットもあります。
団信(団体信用生命保険)以外の保険制度
団信以外の保険制度に以下の3つが挙げられます。
- 就業不能保険
- 収入保障保険
- 引受基準緩和型保険
それぞれの保険について解説します。
就業不能保険
就業不能保険とは病気やケガで長期間働けなくなったときに受け取れる保険です。所定の就業不能状態が継続したときに毎月給付金をもらえます。
万が一働けなくなった場合の所得を補償し、住宅ローンの返済などに充当できます。
特に、自営業者や個人事業主の場合は働けなくなると収入が途絶えるため、加入しておくと安心です。
収入保障保険
収入保障保険とは、被保険者が死亡または高度障害状態になったときに家族が毎月一定額の年金や給付金を受け取れる定期型の死亡保険のことです。
保険期間満了時まで保険金を受け取れ、残された家族の生活費などに充てられます。
一般的な死亡保険と比較すると保険料が割安である点がメリットですが、年数が経過すると保障が減少していく点を理解してから加入しましょう。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は持病や入院歴があっても加入しやすい保険のことです。通常の保険商品より告知事項が少なく、健康面に不安がある人でも加入できる可能性があります。
告知項目が3〜5項目程度に限定されており、従来の保険商品の審査に通らなかった人でも加入しやすいのが特徴です。
ただし、引受基準が緩和されているので通常の保険商品より保険料が高額である点に注意してください。
病気・持病と住宅ローンに関するよくある質問
ここでは、病気や持病と住宅ローンについてよくある質問に回答します。
- 住宅ローンが組めない病気を具体的に挙げるなら?
- 住宅ローン審査で持病を隠すとばれる?
- 住宅ローンの借り入れで健康診断書の提出は必要?
住宅ローンが組めない病気を具体的に挙げるなら?
住宅ローンが組めない可能性が高い病気を以下に挙げます。
身体の部位 | 病名 |
血圧・心臓 | 高血圧症・心筋梗塞・狭心症など |
脳 | 脳卒中など |
精神・神経 | 精神病・神経症・うつ病・認知症など |
気管支・肺 | 喘息・肺結核など |
胃・腸 | 胃潰瘍・十二指腸潰瘍など |
肝臓・すい臓 | 肝炎・肝硬変・膵臓炎など |
腎臓 | 腎炎・ネフローゼなど |
目 | 緑内障など |
がん | がん・白血病など |
ただし、病気の程度によって異なるので、症状が軽い場合は住宅ローン審査に通る可能性があります。
住宅ローン審査で持病を隠すとばれる?
住宅ローンの借入で団信への加入が必要な場合、健康診断の提出を求められる場合があります。持病を隠しても明るみになることがほとんどであり、正直に申告しましょう。
意図的な申告漏れが発覚した場合、住宅ローンを利用できないおそれがあります。
住宅ローンの借り入れで健康診断書の提出は必要?
健康診断書は原則不要の金融機関がほとんどです。ただし、団信の種類や借入金額により提出が必要な場合もあります。
事前に担当の金融機関に確認しておくと安心です。
病気・持病で住宅ローンを組めないケースを理解しよう
この記事では、病気や持病がある場合に住宅ローンを組めるかについて解説しました。
住宅ローン審査は病気や持病など健康上の不安がある場合に通らないおそれがあります。
特に、借入条件として団信への加入を必須とする金融機関の場合、団信に入れなければ住宅ローンを組むことは難しいです。
引き受け条件が緩和されている団信なら加入できる確率が高く、病気が軽度の場合にはおすすめの方法です。フラット35のように団信への加入を任意とする住宅ローンもあるため、病気の程度に応じて自分に最適な住宅ローン商品を選びましょう。
ヤマカ木材では家づくりのお悩みだけでなく、住宅ローンなどの資金計画についてもご相談を承ります。住宅ローン借入時のポイントや、返済計画に関する相談を幅広く受け付けており、マイホームを検討していて住宅ローンに不安がある人はご相談ください。
