2023.05.29 お役立ち情報
平屋と2階建てで迷ったらどう決める?平屋と2階建てのメリットをそれぞれ比較してみました
本記事では、平屋と二階建ての家を建てる際のメリット・デメリットを費用や土地条件を中心に比較し、どちらが良いのかを解説していきます。
自分の家を建てるとなると、何から手を付けてよいのか迷う人は少なくありません。その中でも特に重要な点が、家の形状を決めることです。具体的には、平屋と二階建て、どちら良いのかといった疑問を解消する必要があります。
また、平屋と二階建てを比較する際には、費用や土地条件などのさまざまな要素を考慮しなければなりません。必ずしもすべての人にとってどちらかが最適とは限らないため、自分のライフスタイルに合った方を選ぶ必要があります。
【この記事でわかること】
● 平屋の特徴
● 平屋と二階建ての違い
● 平屋と二階建てのメリット・デメリット
目次
そもそも平屋ってなに?
平屋とは、二階以上の階層がない建物のことで、「一階建て住宅」とも呼ばれます。二階建て住宅よりも構造体としてシンプルなため、日本では昔から住宅として採用されている建物です。
近年では二階建てが主流となっていて、総務省の住宅・土地統計調査によると、2018年の調査では木造住宅の約85%が二階建て住宅でした。
一方で、平屋は独自性の高い住宅で根強い人気があり、平屋を建築するオーナーも一定数います。
※参考:住宅・土地統計調査│e-Stat
平屋と二階建ての比較ポイント1.費用
平屋と二階建てを費用面で比較すると、次の2点で違いがあります。
- 建築時に発生する費用
- 建築後に発生する費用
これらの費用の違いをそれぞれ解説します。
建築時に発生する費用
建築する際は以下の部分で、平屋と二階建てで発生する費用が異なります。
- 基礎部分
- 壁部分
- 躯体部分
それぞれのポイントでどちらの費用が高いかは、以下の表の通りです。
平屋 | 二階建て | |
基礎部分 | 高い | 安い |
壁部分 | 安い | 高い |
躯体部分 | 安い | 高い |
平屋は二階建てより建築面積が広くなるため、基礎部分の面積が二階建てよりも広くなり、費用が高くなります。
一方、二階建ては二階部分を支える柱などの構造物が必要です。壁部分と躯体部分が少ない平屋は、この部分において二階建てよりも費用が安くなります。
建築後に発生する費用
建築後に発生する主な費用はメンテナンス費用と税金です。メンテナンス費用の内訳としては以下の3つがあります。
- 外壁塗装
- 屋根塗装
- 防蟻処理
家を建築したあとにも外壁塗装や防蟻処理の費用が発生します。メンテナンスにかかるそれぞれの費用を比較すると以下の表の通りです。
平屋 | 二階建て | |
外壁塗装 | 安い | 高い |
屋根塗装 | 安い | 高い |
防蟻処理 | 高い | 安い |
平屋は二階部分がないため、外壁塗装費用は二階建てよりも安くなります。また、屋根塗装は足場の設置費用が平屋のほうが安いでしょう。
一方で、平屋は基礎部分が広く防蟻処理費用は二階建てよりも高いです。総合的には、費用面では平屋のほうが有利になります。
平屋と二階建てでは、延床面積が同等でも建築面積が変わることで各メンテナンス費用が異なります。
平屋と二階建ての比較ポイント2.土地条件
平屋と二階建てを建築する土地の条件で比較すると、次のポイントで違いがあります。
- 土地の広さ
- 土地の周辺環境
それぞれのポイントを解説します。
土地の広さ
平屋と二階建ては建築面積が大きく異なるため、必要な土地の広さも異なります。
例えば、延床面積が110㎡の家を建てる場合、平屋は建築面積が110㎡となる一方で、二階建て住宅の建築面積は55㎡です。
また、建物を建築する際に遵守する建築基準法では、土地と建築面積との割合が「建ぺい率」によって制限されます。
建ぺい率60%のエリアで延床面積110㎡の家を建てるとすると、平屋では183㎡以上、二階建てでは91㎡以上の土地が必要です。
したがって、平屋は二階建てと比べて約2倍の広さの土地が必要になるでしょう。
土地の周辺環境
平屋と二階建てでは、土地の周辺環境にも差があります。
平屋を建てる場合は、平らな土地が必要で高低差を活かした建築が難しいとされています。
対して、二階建てであれば駐車場と基礎の高さを変えることで、高低差に対し柔軟に対応可能です。見晴らしにおいても、二階建てのほうが平屋よりも眺望が良いでしょう。
一方で、高低差が生じにくい平屋においては、その形状を活かしたバリアフリーの間取りが実現できる点がメリットといえます。
平屋と二階建ての比較ポイント3.生活の利便性
平屋と二階建てを生活の利便性で比較すると、次のような違いがあります。
- 間取りや動線
- 日当たり
- 水回りの位置
上記3点をそれぞれ解説します。
間取りや動線
平屋と二階建てを比較すると、間取りと生活動線、家事動線においては平屋のほうが効率の良い設計ができるといわれています。
なぜなら、平屋はワンフロアで全ての設備と居住スペースを設計でき、階段や踊り場などが不要であるからです。
階段や踊り場、廊下で家族がぶつからない生活動線を確保したり、水回りを回遊できる間取りにしたりすることで効率の良い家事動線を実現できます。
日当たり
平屋と二階建てでは、日当たりについても違いが生じます。
前述したように、日本の住宅は二階建てが主流であるため、隣地も二階建てになる可能性が高いといえます。
平屋を住宅街に建築した場合は日当たりが悪くなるおそれがあり、立地にこだわる必要があるでしょう。
二階建てを住宅街に建築した場合も同様に日当たりが悪くなるケースがありますが、天井に吹き抜け窓を設置するなどにより、採光の確保が可能です。
平屋は、二階建て以上に日当たりを重要視する必要があります。
水回りの位置
平屋と二階建てでは、水回りの位置の自由度にも差があります。平屋はワンフロアで完結するため、水回りの位置を自由に選択することが可能です。
対して、二階建ては二階部分を支える柱などの躯体位置が限定されるため、躯体位置に伴い水回りと部屋の位置もある程度決まってしまいます。
また、二階にトイレを設ける場合は、一階の水回りから垂直方向に対し、ある程度の範囲に設置する必要があります。二階建ては重要な躯体と水回りの位置が限定化され、自由な間取り設計が困難です。
水回りの位置は平屋の自由度が高く、二階建てよりも理想の間取りを実現しやすいといえます。
平屋と二階建ての比較ポイント4.安全性
平屋と二階建てを安全面で比較すると、次のポイントで違いがあります。
- 防犯性の高さ
- 災害時の安全性
- プライバシー面
上記3点を詳しく解説していきます。
防犯性の高さ
平屋と二階建ては、防犯性の違いで比較することも重要です。
平屋は二階がなく採光するための窓が増えてしまい、一般的にセキュリティ面で不安が残る構造といえます。一方で、二階建ては平屋よりも窓の数と大きさの自由度が高いケースが多く、防犯性の高い間取りを実現できるでしょう。
平屋は二階建てよりも敷地面積が多くなる傾向にあるので、防犯砂利を敷くなどの対策が必要です。
災害時の安全性
平屋と二階建ては、災害時の安全性でも比較しましょう。
近年の災害発生を受け、津波や洪水、内水などのハザードについて、不動産取引時の通達が義務化されました。義務化の要因の1つは、オーナーの災害への関心の増加であるとされています。
仮に家が浸水した際、二階建てであれば二階部分に避難できる可能性がありますが、二階部分がない平屋では家の外に避難しなければなりません。平屋を建築する際には、どこに避難すべきなのかを家族全員で話し合うことが重要です。
ただし、地震や津波など家の外に避難すべき災害が起きた場合、二階建ては避難が遅れることがあります。
このように、平屋と二階建てのどちらを建てる場合でも、防災意識は常に高く持ちましょう。
プライバシー面
プライバシー面においても、平屋より二階建てのほうが比較的優れているといえます。
平屋は全ての生活空間が一階部分にあるケースが多く、歩行者と目が合う高さで生活することになります。また、前面道路の交通量が多い場合は、飛び石のリスクも高いでしょう。
こうした問題を解決するために、多くの平屋は目隠しフェンスや塀を設置するケースが多くあります。
ただし、外構費用が高くなってしまう上に、一度侵入したら外から見えないといった防犯上のリスクが発生します。さらに、眺望にも影響することからプライバシーや防犯、眺望のバランスを意識した設計が求められるでしょう。
平屋と二階建ての比較ポイント5.家族構成・世代
平屋と二階建てで生活する家族構成や世代で比較すると、次の2つのポイントで違いがあります。
- 家族構成ごとの暮らしやすさ
- 世代ごとの暮らしやすさ
生活環境は家族構成と家族の年齢によって大きく変化します。そのため、変化に対応しながら家族全員が快適に過ごせる間取りを検討する必要があります。
家族構成ごとの暮らしやすさ
平屋と二階建てを比較する際は、家族構成ごとの暮らしやすさも考慮することが重要です。
子どもが小さければ気にならない箇所も、成長して生活環境が変われば不具合が生じる可能性もゼロではありません。例えば、平屋で部屋数を最低限にして大きなリビングを設置した場合、子どもの自室が必要になったときに、部屋数が足りなくなるケースがあります。
また、朝はトイレや洗面室が混雑してしまい、支度に時間がかかることもあるでしょう。二階建てであれば一階と二階に部屋と水回りを設けられ、家族のライフサイクルが変わってもスムーズに対応できます。
一方で、平屋は生活空間がコンパクトなため、家族間のコミュニケーションが密になる点がメリットです。高齢者や子どもが暮らす家庭にとって、常に目が行き届く平屋は魅力といえます。
世代ごとの暮らしやすさ
世代ごとの暮らしやすさの面でも平屋と二階建てを比較しましょう。
若い世代は平屋と二階建てのどちらでも対応できる部分が多くあります。一方で、高齢者になると階段や少しの段差に大きなリスクを抱えます。
高齢者が同居する家族構成であれば、平屋のほうが全員の生活動線が良く、転倒のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
平屋と二階建ての比較ポイント6.税金・メンテナンス費用
平屋と二階建てでは、税金やメンテナンス費用においても大きな違いがあります。ランニングコストをあらかじめ把握すれば、住んだ後に後悔することがない家づくりが可能です。
平屋 | 二階建て | |
不動産取得税 | 高い | 安い |
固定資産税 | 高い | 安い |
外壁塗装費 | 安い | 高い |
屋根塗装費 | 安い | 高い |
基礎工事費 | 高い | 安い |
防蟻処理費 | 高い | 安い |
※参考:No.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合|国税庁
平屋のほうが必要な敷地面積が広くなる分、二階建てよりも不動産取得税と固定資産税などの税金は高くなります。また、建築面積が広いため、基礎工事にかかる費用や防蟻処理費用は平屋のほうが高い傾向があります。
一方、平屋は二階部分がないため外壁材が少なく、足場も二階建てほどの費用はかかりません。
このような特徴から、平屋は二階建てよりも外壁塗装や屋根塗装が安くなる傾向にあります。
比較で分かった!平屋と二階建てのメリット・デメリット
前述した平屋と二階建ての比較ポイントを踏まえた上で、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
- 平屋のメリット
- 平屋のデメリット
- 二階建てのメリット
- 二階建てのデメリット
上記4点を詳しく解説していきます。
平屋のメリット
平屋のメリットには次の4つがあります。
- 生活動線が良い間取りを設計できる
- 効率の良い家事動線を実現できる
- 大きなリビングを検討できる
平屋が持つ大きなメリットとしては、「間取りの自由度」が挙げられます。ワンフロアで全ての間取りが完結する平屋には、階段や踊り場などの空間が必要ありません。
したがって、家族がぶつからない生活動線の間取りになり、二階部分を支える躯体が不要であることから、大きなリビングを設置できます。
また、空間を広く利用できるため、水回りを効率良く設計でき家事動線が良くなります。平屋は効率の良い間取りが詰まった家を実現しやすいでしょう。
平屋のデメリット
平屋のデメリットをまとめると、次の3つが挙げられます。
- 二階建てよりも建築費・外構費・税金が高くなる
- 日当たりが悪くなる
- 防犯上とプライバシー面で心配がある
間取りを効率良く利用できる平屋ですが、建築コストと日当たりにデメリットがあります。
平屋は二階がない分、一階の面積が二階建てより大きくなります。これにより基礎部分が増え、建築コストが高くなるでしょう。
さらに、平屋を建てるためには二階建てよりも広い敷地面積が必要です。同じエリアで土地を検討するのであれば、平屋のほうが土地購入費用と外構費が高くなります。
また、周辺が二階建てばかりだと日当たりが悪くなり、採光を確保するためには多くの窓が必要です。窓が多いと、不審者が侵入できる場所が増えてしまうデメリットも発生します。
二階建てのメリット
二階建てのメリットには、主に次の4つがあります。
- 平屋よりも建築費と外構費が安くなる傾向にある
- 同居人数と年齢の変化に対応しやすい
- 売却しやすい
- 土地の選択肢が広がる
二階建ては、壁や床のサイズやピッチがある程度決まっているため、建材が大量生産されやすく、建築コストを安く抑えられます。
汎用性が高い二階建ては、将来売却する際にも買い手を見つけやすく売却しやすい点も大きなメリットです。加えて、二階建てのメリットには、土地の選択肢が広がる点もあります。
二階建てであれば高低差を活かしたプランを検討でき、多くの土地から選ぶことが可能です。土地が決まっていない場合で建築コストを抑えたい人には、二階建てが向いているといえます。
二階建てのデメリット
二階建てのデメリットをまとめると、次の3つが挙げられます。
- 生活動線は平屋より悪い
- 間取りの自由度は平屋より低い
- 太陽光の発電量が平屋より少なくなる
二階建ての大きなデメリットは、平屋に比べて設計の制限が多い点です。
二階建ての場合、二階部分を支える躯体や二階の床を設計に組み込まなければなりません。開放的なリビングや回遊できる水回りを実現するためには、いくつかの妥協点が生じます。
例えば、全ての希望を盛り込んだ間取りを設計するためには、大きな土地と高い費用が必要です。また、水回りの動線を優先した場合、回遊する部分のスペースを確保するためにリビングにスペースを設ける必要があります。
二階建てを建てるためには、希望の優先順位を設けることが重要です。
さらに、二階建てのデメリットには、太陽光発電の発電量が少なくなる点もあります。
太陽光は屋根の上にパネルを載せて電力を生み出すため、屋根の面積が少ない二階建ては発電効率が落ちる場合があります。
屋根の形状によっては、太陽光発電自体が導入できないケースもあるので注意が必要です。
平屋と二階建てを比較しながら後悔のない家づくりを
平屋と二階建てを選ぶ際には、それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較しながら検討する必要があります。
しかし、全てのハウスメーカーや工務店が平屋と二階建ての両方を建てられるわけではないので、自分に合った建築会社選びが重要です。
ヤマカ木材では、お客様の要望をヒアリングした上で、平屋と二階建ての両プランを提案しています。また、提案の際には平屋と二階建てそれぞれのメリット・デメリットを紹介し、お客様に納得いただけるプランを中心に家づくりを進めています。
平屋と二階建ての両方を検討したい方は、ぜひヤマカ木材までお問い合わせください。
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