2023.09.13 お役立ち情報
家の名義変更とは?必要なケースや書類・費用について徹底解説
この記事では、家の名義変更が必要なケースや名義変更にかかる費用を解説します。
家の所有者を変える際には、名義変更が必要です。しかし、家の名義を変える際に必要な書類や費用はさまざまであるため、何も知らないまま名義変更をしようとすることは困難でしょう。
また、遺産相続や財産分与などのケースによって、家の名義変更の流れは異なります。
本記事では家の名義を変えるときに必要になる書類や費用を、詳しく説明します。家の名義変更を検討している人は、ぜひ最後までお読みください。
目次
【この記事でわかること】
● 家の名義変更について
● 家の名義変更が必要なケース
● 家の名義変更に必要な書類や費用
家の名義変更とは?
家の名義変更とは、親から子など不動産の所有者が変更する場合に、法務局への登記申請手続きで新しい所有者に変更することを指します。
ここでは、下記の2点を解説します。
- 家の名義変更が必要な理由
- 家の名義変更は自分でもできるのか
それぞれ見ていきましょう。
家の名義変更が必要な理由
家の名義変更は、家の所有者が誰なのかを明確にするものです。
もし名義変更をしていなければ、家の所有権を第三者に証明することが難しくなり、相続や売却などの手続きが煩雑になります。
後々のトラブルを防止する点でも、家の名義変更は非常に重要です。
家の名義変更は自分でもできるのか
家を名義変更する場合、一般的には司法書士に依頼して所有権を移転登記します。司法書士に依頼すると、必要書類を提出して名義変更に必要な費用を支払えば、名義変更ができます。
ただし、司法書士に依頼せずに自身での手続きも可能です。司法書士に依頼しないメリットの1つは、手数料を抑えられる点です。
自分で手続きすると、費用を抑えられる分時間と手間がかかるので、どちらが自分にとって適した方法かを判断する必要があります。
家の名義変更が必要なケース4つ
家の名義変更が必要なケースとして、以下4つを挙げました。
- 遺産相続
- 生前贈与
- 財産分与
- 不動産売買
ここでは上記4点を詳しく解説します。
遺産相続
親や親族などが亡くなり自分が相続人として家を相続する場合、名義変更が必要です。
遺産相続においては、相続する方のみが相続による所有権移転登記の手続きを実施します。
注意しなければならないのは、相続人が複数人存在する場合です。単独で家を相続するのか複数人で相続するのかを明確にするため、遺産分割協議書の作成が必要です。遺産分割協議書を作成し誰が家を相続するかが確定した時点で、名義変更の手続きを始めると良いでしょう。
また、相続人が複数いる場合は、名義変更にかかるコストなどを事前の打ち合わせで決めておくことが必要です。
生前贈与
生前贈与とは、財産を所有している人が生きているうちに財産のすべて、もしくは一部を贈与することを指します。
よくある事例は、財産が多いため相続税が発生するおそれが高い場合に、予め財産を子供などに贈与するケースです。生前贈与の場合でも、所有権移転登記が必要です。
また、相続税対策で家を生前贈与した場合、贈与する家の評価額によって贈与税が発生するため、贈与する家の評価額を事前に把握しなければなりません。
不動産を贈与する場合は、登録免許税や不動産取得税が合わせて発生するので、所有権移転費用と一緒に抑えておく必要があるでしょう。
財産分与
財産分与のケースでよくある事例は離婚です。離婚の場合、夫婦の財産を分割する必要があります。離婚による財産分与が必要なケースは以下の2点です。
- 共有名義にしていたが、どちらか一方のみが所有者になる場合
- 単独名義人とは別の配偶者が所有者となる場合
上記のケースで所有権移転をする前に注意しなければならないのは、住宅ローンの返済が継続している場合です。金融機関によっては、名義変更を認めないケースがあります。
弁護士や司法書士などと綿密に打合せをした上で、どのように財産を分割するのかを決めなければなりません。
不動産売買
不動産売買の場合は、売却代金を支払うと同時に家の名義を変更しなければなりません。
前述の通り、名義変更は個人でも実施可能です。しかし、不動産売買時には、売却代金の支払いと名義変更を同時にする必要があるので、司法書士への依頼がおすすめです。
家の名義変更の必要書類
家の名義変更における、必要書類を以下4つ挙げました。
- 不動産の登記済権利証または登記識別情報通知
- 固定資産評価証明書
- 住民票・印鑑証明書
- ケース別の必要書類
ここからは、名義変更時に必要な書類を詳しく解説します。
不動産の登記済権利証または登記識別情報通知
名義変更の際は、不動産の登記済権利証、もしくは登記識別情報通知が必要です。
不動産の所有権が変わったときに法務局が登記済権利証を発行しますが、平成18年以降は登記識別情報通知に変更されています。
これらの書類は、不動産の所有者を確認するための重要な書類です。
固定資産評価証明書
固定資産評価証明書は、所有している不動産の評価額などを調べる際に取得する書類です。
固定資産税評価額は、毎年不動産の所有者に郵送される納税通知書で把握できます。万が一紛失してしまった場合は、役所などで取得できます。
住民票・印鑑証明書
名義変更申請者の住民票と印鑑証明書が必要です。
名義変更は大きな財産の所有権を移転するケースがあり、詐欺などの案件が多くあります。そのため、しっかり本人だと証明することが必要です。
住民票や印鑑証明書は役所で取得できます。近年は、コンビニエンスストアで取得できる自治体が増加しており、以前より取得しやすくなっています。
ケース別の必要書類
その他にも、状況によって必要書類が異なります。
例えば、以下のような書類が挙げられます。
- 売買契約書:不動産売買での名義変更
- 贈与契約書:生前贈与での名義変更
- 戸籍謄本:離婚による財産分与での名義変更
自分で名義変更する場合は、法務局への問い合わせが必要です。
司法書士に依頼する場合は、司法書士の依頼に沿って必要書類を準備しましょう。
家の名義変更にかかる費用・税金
ここでは、家の名義変更にかかる費用や税金を4点挙げました。
- 登録免許税
- 各種書類の取得費用
- 司法書士の報酬
- その他の費用・税金
上記4点について詳しく解説します。
登録免許税
所有権移転時には、必ず発生する登録免許税を納税しなければなりません。
登録免許税は固定資産税評価額に対して課税され、前述した名義変更のパターンによって税率が異なる点が特徴です。
名義変更のパターンと税率を、以下の表にまとめました。
名義変更のパターン | 税率 | 納税者 |
相続 | 4/1000(0.4%) | 相続人 |
財産分与(離婚など) | 20/1000(2%) | 所有権者 |
生前贈与 | 20/1000(2%) | 贈与を受けた者 |
不動産売買 | 20/1000(2%) | 買主 |
※参考:登録免許税の税額表|国税庁
名義変更は不動産1件ごとに必要です。つまり、土地と建物の名義を変更する場合は、それぞれに対して課税される点に注意しましょう。
各種書類の取得費用
名義変更で必要な書類の中には、取得にあたり費用が必要な書類があります。そのため、これらの書類の取得費もしっかり準備しておきましょう。
役所などで取得できる書類は、100〜200万円程度の取得費用がかかる場合がほとんどです。
司法書士の報酬
名義変更を司法書士に依頼する場合は、手数料がかかります。報酬額は、事務所や地域、手続きの内容などによって異なりますが、一般的には5〜15万円程度が相場です。
内訳を事前にしっかりと確認し、予算内で進めましょう。
※参考:【費用相場】司法書士手数料はどれくらい?|不動産名義変更手続センター
その他の費用・税金
名義変更で必要になる税金は、状況によって異なります。名義変更の状況別に、それぞれ必要な税金を下記の表にまとめました。
名義変更の状況 | 税金 |
相続 | 相続税 |
財産分与(離婚など) | 贈与税や不動産取得税など |
生前贈与 | 贈与税や不動産取得税など |
不動産売買 | 譲渡所得税 |
場合によっては、登録免許税より高い税額になるケースがあるので、あらかじめ必要な費用を把握しておく必要があります。
家の名義変更の流れ
家の名義変更における流れを、名義変更のパターンごとにまとめました。
- 遺産相続の場合の流れ
- 生前贈与の場合の流れ
- 財産分与の場合の流れ
- 不動産売買の場合の流れ
それぞれの流れを解説します。
遺産相続の場合の流れ
遺産相続の主な流れは、以下の5ステップです。
- 名義の確認
- 相続人の決定
- 書類集め
- 遺産分割協議書の作成
- 申請
まず、登記簿などを取得し、不動産の所有者が誰になっているかを把握します。その後、誰が相続人になるか決定して、相続登記に必要な書類を準備します。
また、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名捺印して完成させます。最後に、法務局で名義変更を申請して、登記の登録が完了します。
生前贈与の場合の流れ
生前贈与の主な流れは、以下の3ステップです。
- 書類の準備
- 申請書の作成
- 法務局へ提出
まず、贈与に必要な種類を準備します。次に、法務局に申請する書類を作成します。作成する書類には申請書だけではなく、登記原因証明情報なども含まれます。
書類が作成できると、これらの書類を法務局に提出し名義変更を申請します。
財産分与の場合の流れ
財産分与の主な流れは、以下の4ステップです。
- 財産分与の合意
- 書類の準備
- 申請書類の作成
- 法務局へ申請
まず、持っている財産をどのように分割するか、当事者間で合意しなければなりません。離婚の場合、離婚後2年以内の財産分与請求となるため注意しましょう。
次に、書類を準備しなければなりません。離婚の場合、裁判による離婚と協議による離婚では書類が異なりますので、離婚する方法別の書類をしっかりと把握しましょう。
その後、名義変更を申請する書類の作成が必要です。離婚の場合は、財産を渡す側ともらう側の両方が作成しなければなりません。
最後に、申請書類と必要な添付書類を集めて法務局へ申請します。
不動産売買の場合の流れ
不動産売買の主な流れは、以下の4ステップです。
- 売買契約締結
- 書類の準備
- 残代金の支払いと物件を引き渡し
- 司法書士が法務局へ申請する
不動産売買では、お金を引き渡す前に売買契約が成立する場合が一般的です。
住宅ローンの融資などを利用する際の審査で売買契約書が必要になるため、先に売買契約を締結しなければなりません。売買契約時には、買主から売主へ手付金を支払い、残代金は住宅ローンの融資が下りたあとに支払われます。
次に、名義変更に必要な書類を準備します。必要な書類は買主と売主でそれぞれ異なります。
その後、残代金の支払いと物件の引き渡しを行います。残代金の支払いと物件の引き渡しは同時に行われるケースがほとんどです。物件の引き渡しは、所有権移転登記、つまり名義変更を完了していなければなりません。引き渡し時には司法書士が同席し、必要書類を揃えます。
売却代金が売主へ支払われ司法書士の書類が準備されると、法務局へ出向き名義変更の申請手続きをします。
家の名義変更に関するよくある質問
最後に、家の名義変更に関するよくある質問を3点紹介します。
- 家の名義変更と世帯主の変更はどう違う?
- 住宅ローンが残っている家は名義変更できる?
- 家の名義変更で節税する方法はある?
順番に回答していきます。
家の名義変更と世帯主の変更はどう違う?
前述の通り、家の名義変更の目的は、登記自体を変更し第三者に家の所有者を証明できるようにしておくことです。
世帯主の変更は世帯主が亡くなった場合や離婚した場合などに必要ですが、役所に対し届け出をすれば、世帯主を変更できます。
名義変更ほど費用がかからず、自分で申請できます。
住宅ローンが残っている家は名義変更できる?
住宅ローンが残っていても名義変更は可能です。
売却などの場合、売却代金で住宅ローンが完済できれば問題ありません。しかし、住宅ローンが残っている場合の離婚による名義変更は、金融機関が認めないケースがあります。
家の名義変更で節税する方法はある?
家の名義変更そのものに対する、節税の方法は特にありません。
費用全体を抑える方法として挙げられるのは、司法書士に依頼せずに自分で名義変更をする方法です。司法書士の手数料が抑えられるので、効果的な節約方法といえます。
家の名義変更はケースごとに概要を把握しよう
本記事では、家の名義変更のパターンや必要な書類、費用を解説しました。
前述したように、家の名義変更はケースによって書類や費用などが大きく異なります。自分が名義変更する際にどのパターンに当てはまるか確認し、書類や費用を準備する必要があります。
書類や費用がわからない場合は、弁護士や司法書士に相談しながら進めていきましょう。
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