2024.05.28 お役立ち情報
自然素材の家とは?住宅のメリットやデメリット・後悔しないポイントも
この記事では、自然素材の家の特徴について解説します。
化学物質を使用せず、体にもやさしい自然素材でつくられた家では、赤ちゃんから高齢者まで安全かつ健康に暮らせます。機能性や耐久性、耐火性が高いため、快適な環境で安心して住み続けられます。家づくりを進める上で、自然素材の家も検討することがおすすめです。
この記事では、自然素材の家のメリット・デメリットや後悔しないためのポイントについて解説していきます。自然素材の家を検討している人はぜひ、参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 自然素材の家によく使用される素材の種類・特徴
- 自然素材の家のメリット・デメリット
- 自然素材の家で後悔しないためのポイント
- 自然素材の家が向いている人・向いていない人の特徴
目次
そもそも自然素材の家とは?
自然素材の家とは、建築に使用される素材として化学物質をなるべく使用せず、環境にやさしい自然由来の素材を選び、住環境や健康に配慮した住宅です。
具体的には、木材や漆喰などの天然素材を用いた構造や仕上げ材が主に用いられます。
自然素材の家は、人体に有害な化学物質を排除することで、アレルギーの原因となる物質を減らし、住む人の健康を守る効果が期待できます。さらに、自然素材は湿度調整や断熱性に優れており、良好な室内環境を実現できるため、快適な暮らしをサポートするでしょう。
また、厚生労働省が注意喚起しているシックハウス症候群の対策としても注目されています。
自然素材の家によく使用される素材の種類・特徴
自然素材の家でよく使用される素材として、以下が挙げられます。
- 珪藻土
- 漆喰
- 無垢材
- 天然リノリウム
ここでは、それぞれの素材の特徴を解説します。
珪藻土
珪藻土とは、植物プランクトンの一種である珪藻の遺体(珪藻殻)が海や湖の底にたまり、化石になったものです。珪藻の殻には無数の小さな穴(細孔)が空いており、細孔が水や空気の吸収・放出を促すため、特に以下の3つの優れた機能を発揮します。
- 調湿性
- 断熱性
- 吸着性
自然素材の家を建てるときに、壁材や床材、屋根材などに使用されている素材です。
漆喰
漆喰とは「水酸化カルシウム」を主原料とした壁材です。水酸化カルシウムの元となる石灰石は、サンゴ礁が長い時間をかけて変化したものです。
漆喰は年月が経過するほど耐久性が増すため、耐久年数は約100年ともいわれています。
不燃性を有するため耐火性が非常に高く、火災が発生しても有害なガスを出さない、環境にやさしい素材です。調湿効果に優れているため、壁を漆喰にすると夏場や梅雨時でも湿気を和らげます。
無垢材
無垢材とは、自然の木を切り出したままの状態で加工をしていない木材のことです。接着剤を使わずそのまま製材品として利用します。
無垢材はフローリングに用いられることが多く、素足で木の温もりを感じられるため人気のある自然素材です。
無垢材となる木材の種類はさまざまであり、主に以下のものが使用されています。
種類 | 特徴 |
パイン | ● 素朴で柔らかな素材 ● 他の無垢材より少し価格が高い |
スギ | ● 和風の部屋に合う ● 柔らかく手触りが良い |
ヒノキ | ● 日本を代表する高級木材 ● 独特の芳香がある |
チェスナット(クリ) | ● はっきりした木目が特徴 ● 強固で硬い木材 |
オーク | ● 耐久性と耐水性が高い ● 比較的安価でシックで落ち着いた雰囲気 |
木材の種類によって、性質に違いがあることを知っておきましょう。
天然リノリウム
リノリウムは、主に以下の天然素材を使用しています。
- アマニ油
- 石灰岩
- 松やに
- 木の粉
- コルク粉
- 天然色素
主に床材として使われ、表面は滑らかで柔らかな質感で、自然素材らしい温かみを感じられます。
抗菌作用が高く環境にもやさしい素材であり、学校や病院など公共施設でも使用されている建材です。耐久性が高く燃えにくいため、安心して暮らせる家の素材として人気を集めています。
自然素材の家のメリット
自然素材の家のメリットは、一般的に以下の通りです。
- 耐火性に優れている
- 機能性に優れている
- 夏は涼しく冬は暖かい
- 健康的な暮らしが実現できる
順番に見ていきましょう。
耐火性・耐久性に優れている
漆喰や珪藻土といった壁材は耐火性に優れており、仮に隣地が火事になった場合でも延焼を防げます。
また、無垢材は接着剤を使っていないため、燃えた場合にも有害物質を発生させない特徴があります。自然素材の家は燃えやすいと思われがちですが、火事に強い家だといえるでしょう。
耐久性に優れている点もメリットです。例えば床の場合、合板フローリングは10〜20年程度しか持ちませんが、無垢材であれば30年以上持ちます。
無垢材のほうが価格は高めですが、長い目で見ると交換・修復費用を抑えられるため費用対効果が高いといえます。
機能性に優れている
自然素材の家は、機能性に優れている点もメリットの1つです。調湿効果と消臭効果が高い自然素材を使った家は、加湿器や除湿器といった家電で家屋内を整える必要がそれほどありません。
珪藻土は細かい穴が表面にあり、臭いを吸着してくれます。そのため、ペットを飼っている家庭でも臭いを心配する必要はないでしょう。
また、抗菌効果も高いため、小さい子供がいる家庭環境でも安心して過ごせます。
無垢材は木材そのものの香りが楽しめるため、家の中で森林浴気分を楽しめます。木材の香りでリラックスでき、ストレス解消できるのも嬉しいポイントです。
夏は涼しく冬は暖かい
自然素材が持つ調湿効果によって湿度の高い夏は湿気を吸収し、湿度の低い冬は湿気を放出してくれます。夏涼しく冬暖かい住環境を維持でき、光熱費も抑えられます。
夏はカラッとした空気になるため、日本特有のジメジメした暑さに悩まされません。自然素材の床材は冬でも温かみがあるため、心地良い空間で過ごせます。
健康的な暮らしが実現できる
自然素材の家は、住む人に健康的な暮らしをもたらします。
例えば、シックハウス症候群は、化学物質が家屋内に発散されることで人体に悪影響を及ぼす症状です。気密性が高い現代の家だからこそ起きる問題ですが、反対に気密性を低くすると湿度が高くなりダニやカビが発生しやすくなります。
アレルギー物質が飛散することになり、快適な住環境ではなくなるでしょう。
一方で、自然素材の家では建材が調湿や消臭の役割を担うため健康的な暮らしが実現できます。さらには耐久性が高いため、「長く安全に住める家」として注目されています。
室内の温度差が一定であるため、結露が出にくい点も特徴です。カビやダニの発生を抑えられるため、家族全員で健康的な暮らしを実現できます。
※参考:科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)|厚生労働省
自然素材の家のデメリット
自然素材の家は、健康的な生活を長く送れる家といえる一方でデメリットもあります。
- 費用が割高になる
- 劣化によるひび割れ・変形が目立ちやすい
- 傷が生じやすい
ここでは、上記3点のデメリットを順番に見ていきましょう。
費用が割高になる
自然素材は流通が少なく、効率良く生産できないため建材として割高です。
通常、自然素材で家づくりをすると、2〜3割程度のコストアップが考えられます。塗り壁などは施工する際も技術と手間がかかるためコストが上がるケースがあります。
建築コストが高くなるため、予算オーバーとなるリスクがある点がデメリットの1つです。
また、自然素材は搬入納期の長い製品が多く、完成し引っ越すまでに通常の家よりも時間がかかるケースも多くあります。
家賃や住宅ローンを余分に支払うことになるため、全体の費用を注視することが重要です。
劣化によるひび割れ・変形が目立ちやすい
漆喰や珪藻土の壁材はひび割れしやすく、自然素材ならではの変化が起きてしまいます。特に漆喰は現地で職人が仕上げるため、職人の腕によって劣化のスピードが変化します。
ひび割れが発生しやすい素材でもあり、施工時の環境や下地の状態によって仕上がりに差が出てくる点も特徴です。
また、地震でひびが入ることも視野に入れなければなりません。ひび割れを防ぐには、下地の処理から丁寧に仕上げる必要があります。自然素材の家に住む場合は、ひび割れや変形が起きることをあらかじめ把握しておきましょう。
傷が生じやすい
無垢材は合板よりも表面の耐久性が高くないため、傷がつきやすく補修によって傷を隠すことも難しいとされています。
しかし、無垢材のフローリングにジョイントマットやカーペットを敷いた場合は、機能性やデザインが損なわれてしまいます。経年劣化も、自然素材ならではの味わいの1つとして楽しんでみるのも良いでしょう。小さな傷であれば自分で補修して、目立たなくすることも可能です。
また、漆喰や珪藻土の壁材はマジックやペンの汚れを吸着してしまい、落とすことが困難です。自然素材の家に住む場合は、汚れや傷がつかないよう注意しましょう。
定期的な手入れが必要である
自然素材の家は建てた後も、定期的な手入れが必要です。天然木の素材は季節によって形が変化するため、長期的に住んでいると木材のひび割れや反りなどが発生することがあります。
基本的な手入れのポイントは以下の通りです。
- 直接日光を避ける
- 適切な清掃を行う
- 定期的に換気をする
- 定期的な保護処理を行う
手入れの仕方がよくわからないときは、自然素材を使用しているハウスメーカーに相談するのもおすすめです。
自然素材の家で後悔しないためのポイント
ここでは、自然素材の家で後悔しないためのポイントを解説します。
- 経年劣化をあえて楽しむ
- 慎重に素材を選ぶ
- 日々のメンテナンスを怠らない
自然素材の家は、通常の家と異なり建材の影響を大きく受けるため、うまく向き合いながら生活することが重要です。
経年劣化をあえて楽しむ
自然素材の家は、経年劣化をあえて楽しむのが快適に過ごすコツです。
天然素材は、湿度や太陽光だけでなく季節の変化にも大きく影響を受けるため、通常の建材よりも経年劣化のスピードが速いとされています。つまり、常に変化する自然環境を家の中で体感できるといえるでしょう。
例えば、無垢材フローリングは夏に挟まったゴミなどが、冬には取れないほどのサイズに変わります。雨の日や夕方には、木が動く音をリビングにいながら楽しめます。
このように、経年劣化や変化をあえて楽しむことで「自然素材の家に住んで良かった」と実感できるでしょう。
慎重に素材を選ぶ
自然素材は無作為に選ぶのではなく、それぞれの特徴を把握した上で選ぶ必要があります。
例えば、珪藻土は調湿と消臭効果に優れていますが、汚れや傷に弱いためフローリングには向いていません。また、無垢材は高価なため、重要性の低い木材として使用するのはもったいないといえるでしょう。
自然素材にはそれぞれ適材適所があるため、しっかり見定めて正しく使用するのがポイントです。
日々のメンテナンスを怠らない
汚れや臭いを吸着し、調湿までしてくれる自然素材は、毎日掃除することで性能を維持できます。特に、漆喰や珪藻土を壁材として使用した際には定期的に水拭きと空拭きを実施しましょう。
また、掃除することで小さな変化を見つけられ、変化している家を感じられます。
日々のメンテナンスは、住環境を長く維持し自然素材の家ならではの変化を楽しむためにも、重要といえるでしょう。
自然素材の家が向いている人・向いていない人の特徴
自然素材の家は非常に魅力のある住宅ですが、向いている人と向いていない人がいます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
向いている人
自然素材の家が向いている人の特徴は以下の通りです。
- 自然を感じられる家に住みたい
- 長く健康で暮らせる家を建てたい
- 独自性が高く、こだわりが詰まった家を建てたい
自然素材の家は無垢材や珪藻土などを使用するため、素材自体の温かみを感じられます。
化学物質を使用していないため、小さな子供から高齢者まで健康的に暮らせるのが良い点です。
コストはやや上がりますが、通常の建売住宅では味わえない質感や雰囲気も楽しめるため、独自性の高い、こだわりが詰まった家を建てたい人にも向いています。
向いていない人
自然素材の家が向いていない人の特徴は以下の通りです。
- 可能な限りコストを抑えたい
- メンテナンスに対する手間が気になる
- デザインを最重視したい
自然素材の家は一般的な住宅より資材費がかかるため、建築費を最優先事項として安くしたい人には向いていません。定期的なメンテナンスも重要になり、家の手入れを最小限に抑えたい人にも適していないといえます。
また、自然素材の家は素材の特性上、一般的な住宅に比べてデザイン面や機能面での選択肢が限られることがあります。デザインや機能性を最重視する場合も、ほかの建築方法を検討したほうが良いでしょう。
【施工事例】ヤマカ木材が実現した自然素材の家
ヤマカ木材では、自然素材の家『ナチュリエ』を提供しています。
先述の通り、自然素材の家は価格が高いイメージを与えますが、ナチュリエではコストを抑えながら自分らしい家を実現できます。以下のようなバリエーションが豊富な点も魅力です。
- 自然素材×ビンテージハウス
- 自然素材たっぷりな開放感のある平屋
- 造作スペースを多数設けた自然素材住宅
ここでは、『ナチュリエ』の施工事例をご紹介していきます。
自然素材×ビンテージハウス
ヤマカ木材では、自然素材を活かしたビンテージハウスを提供しています。
自然素材×ビンテージハウスの事例は、外観や玄関内部はネイビーに色を合わせ、塗壁と本物の木を使用しスタイリッシュな印象に仕上げました。リビングには吹き抜けがあり、レンガや古材を使用してビンテージ感を演出しています。
キッチンの壁にもレンガのタイルを貼り、ダークブラウンの対面キッチンとともに使い込まれた雰囲気を感じさせるオシャレな室内です。
窓を大きく取ることで、明るい日差しが部屋の中を暖かく照らします。
自然素材たっぷりな開放感のある平屋
ヤマカ木材は、自然素材をふんだんに使用した開放感のある平屋も手がけています。
自然素材たっぷりな開放感のある平屋は、玄関の入り口には木目のキレイな木材を使い、木の温もりを感じさせます。
室内にはレッドシダーを所々に使用し、間接照明とコーディネートするとオシャレな雰囲気です。LDKには窓を設置し、広々とした空間を演出しました。
天井に木の梁を取り付け、ナチュラルな雰囲気を醸し出しています。4.5帖の広さがある和室も設けているので、お客様用の部屋として使用できます。
造作スペースを多数設けた自然素材住宅
造作スペースを多数設けた自然素材住宅は、明るい木目調でコーディネートした自然素材の家です。白い壁にライトな色調の木材を使用することで、ナチュラルな雰囲気を感じさせます。天井には木の梁を設置し、間接照明を取り付けました。
テレビボードの上部やドア付近に造作棚、キッチンの背面に造作ニッチ、リビングには造作机など造作スペースを多数設けているため、限られた面積を有効活用しています。
キッチンには対面キッチンを設置し、家族でコミュニケーションを取りながらキッチン仕事を楽しめます。
自然素材の家に関するよくある質問
最後に、自然素材の家に関するよくある質問を紹介します。
- 自然素材の家と一般的な注文住宅の違いは?
- 無垢材の寿命は何年?
- 肌にやさしい自然素材は?
順番に回答していくので、疑問の解消にお役立てください。
自然素材の家と一般的な注文住宅の違いは?
自然素材の家と一般的な注文住宅の違いは、主に使用される建築素材とその効果にあります。
自然素材の家は、化学物質を極力排除し、環境にやさしい自然由来の素材を使用することに重点を置いています。これに対して、一般的な注文住宅は合成樹脂や金属材料などの化学物質を多く含む素材も使用されることが一般的です。
自然素材の家は、人体に有害な化学物質を排除することで、アレルギーや喘息などの原因となる物質を減らし、住む人の健康を守る効果が期待できます。また、自然素材は湿度調整や断熱性に優れているため、快適な室内環境を実現できるでしょう。
一方、一般的な注文住宅は自然素材の家ほど、健康面や環境面が配慮されていないケースもあります。
ただし、自然素材の家は一般的な注文住宅に比べてコストが高くなることがあるため、予算やライフスタイルに合わせて選択する必要があります。また、自然素材の家はメンテナンスが一般的な注文住宅よりも手間がかかることがあるため、その点も考慮することが重要です。
無垢材の寿命は何年持つ?
無垢材の法定耐用年数は22年ですが、表面の汚れを取るなど、しっかりメンテナンスすることで30年以上に寿命を延ばすことも可能です。
そのため、日々のメンテナンスをしっかり行いましょう。
肌にやさしい自然素材は?
コットンやウールは衣類に使われており、肌にやさしい天然素材の代表といえるでしょう。
ほかにも、無垢材と漆喰は手触りが良く乾燥を防いでくれる効果もあります。天然素材はそれぞれ独特な質感を持っているため、自分に合った質感の天然素材を選びましょう。
自然素材の家で快適な暮らしを実現しよう
自然素材の家は化学物質を使っていないため、家族全員が健康的に暮らせる安心な住まいです。
木の質感など素材の温もりも感じられ、リラックスしながら生活できます。
自然素材の家にご興味がある人は、ぜひヤマカ木材にご相談ください。コストを抑えながら建てられる自然素材の家も用意しています。
無垢材の手触りなど、木の質感をお近くのモデルハウスで実際に体験できます。
自然素材の家に限らず、家づくり全般や資金計画についてもご相談可能です。自然素材について詳しく知りたい方、家づくりで悩んでいる方はぜひヤマカ木材にご相談ください。
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