2023.12.01 お役立ち情報
住宅ローン審査に通りやすい職業は?通りにくい人が有利に進めるコツも
この記事では、住宅ローンの審査において審査に通りやすい職業を解説します。
住宅ローン審査には、審査に通りやすい職業と審査に通りにくい職業があります。金融機関もビジネスをしている以上、返済できる可能性が低い人には融資をしてくれません。ただし、現在の職業が審査上不利だからといって、転職するのは困難です。
本記事では、住宅ローンの審査に通りやすい職業と通りにくい職業の違いに加え、職業以外で審査に影響する条件を解説します。一般的に審査に通りにくいとされる職業の人におすすめしたい審査対策なども紹介するため、気になる人はぜひ本記事を最後までご覧ください。
【この記事でわかること】
● 住宅ローンの審査基準
● 住宅ローン審査に通りやすい職業
● 住宅ローン審査に通りやすい人の特徴
● 住宅ローン審査を有利に進めるコツ
目次
そもそも住宅ローン審査基準は?
住宅ローンの審査基準として、多くの金融機関が考慮している項目は以下のとおりです。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 借入時年齢
- 担保評価
- 勤続年数
- 連帯保証
- 返済負担率
- 年収
国土交通省の『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果 報告書』によると、95%以上の金融機関が、融資を検討する際の審査項目として、完済時年齢・健康状態・借入時年齢・担保評価を挙げています。
一方で、職業を審査基準とする金融機関は34.4%であり、職業は住宅ローンにおいてそれほど重点を置かれているわけではないと捉えられます。
※参考:令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書丨国土交通省
住宅ローン審査に通りやすい職業
住宅ローン審査に通りやすい職業は金融機関から公表されていませんが、公務員や上場しているような大手企業の会社員はローンを組みやすい傾向にあります。なぜなら、公務員は雇用形態が安定しており、大手企業の会社員は会社の倒産で失業するリスクが低いからです。
特に、公務員は夏と冬に賞与を受け取るケースが多く、年功序列で年収が徐々に上がるため、返済能力があると認められる可能性が高くなります。また、社会的地位と収入面の観点から、医師も住宅ローン審査に通りやすいといえます。
住宅ローン審査に通りやすい人の特徴
ここでは、住宅ローン審査に通りやすい人の特徴を紹介します。
- 高年収である
- 勤続年数が長い
- 定年前にローンを完済できる計画である
- 信用情報に問題がない
- 持病がない
- 返済負担率が低めである
- 書類・申告に不備がない
上記7点をそれぞれ見ていきましょう。
高年収である
金融機関は、年収が高い人は返済能力が高く、安定した返済を期待できると判断します。
具体的には、雇用形態が正社員であるか、また、賞与があるかなどがチェックされます。
ただし、高年収の人が必ずしも審査に通るわけではありません。住宅ローンの返済負担率が高くなるほど審査に落ちるおそれが大きくなることを考慮しましょう。
勤続年数が長い
継続して同じ職場で働き続けている人は、今後も安定した収入を確保できると考えられるため金融機関から信頼されやすくなります。
勤続年数の条件を3年以上に定めている金融機関はありますが、ほとんどの場合は1年以上が条件とされています。転職した場合でも、ある程度の期間を継続して転職先で働けば、審査に通りやすくなるでしょう。
定年前にローンを完済できる計画である
金融機関の多くは、完済時年齢を80歳未満に設定しています。そのため、同じ条件で住宅ローンを申請するなら、年齢が若い人ほど審査に有利でしょう。
高齢の人が住宅ローンを組む場合、審査が厳しくなることや毎月の返済額が高くなるおそれがあることを考慮しなければなりません。就労状態や健康状態を加味すると、定年前に完済するのが理想です。
信用情報に問題がない
金融機関は、過去の借入や返済履歴、未払いの債務などを確認して申込者の信用性を評価します。信用情報に問題がないことは審査通過のための基本条件であり、滞納や債務整理の履歴があると審査に落ちるおそれがあります。
個人信用情報は開示できるため、不安な人は事前に確認しておきましょう。
持病がない
住宅ローンを組む際、団体信用生命保険(団信)への加入を条件とする金融機関がほとんどです。持病があると団信に加入できないことがあるため、契約そのものをできなくなります。
持病があっても、正確に告知して症状が安定していれば、団信に加入できる可能性はありますが、持病がない人のほうが審査には有利です。
返済負担率が低めである
返済負担率とは、年収に対するローン返済額の割合を指します。返済負担率が低いほど無理なく返済できると判断できます。
多くの金融機関は、審査通過の基準として25〜35%の返済負担率を定めていますが、理想的な返済負担率は20〜25%です。40%近い数値になると、高年収の人でも通りにくくなります。
書類・申告に不備がない
住宅ローンの申請時に、勤続年数や年収を偽ったりクレジットカードの借入を隠したりすると、審査に落ちやすくなります。仮に、隠していた事実が発覚すると、告知義務違反となって契約者が死亡しても保険金がおりず、残された家族が返済に困ってしまいます。
書類や申告を不備なく行うことは、住宅ローンの審査に通るために欠かせません。
住宅ローンに通りにくい職業の人が審査を有利に進めるコツ
ここでは、住宅ローンに通りにくい職業の人が審査を有利に進めるための以下7つのコツを紹介します。
- 信用情報をクリアにする
- 現在の借入状況を把握する
- 頭金をなるべく多く用意する
- 複数の住宅ローンへ同時に申し込まない
- 比較的条件が緩い金融機関に申し込む
- 使っていないクレジットカードを解約する
- 不安な点は金融機関や不動産会社に相談する
順番に見ていきましょう。
信用情報をクリアにする
自身の個人信用情報を確認し、情報をクリアにしましょう。
過去に借金や債務整理の経験があると審査に落ちやすくなるほか、クレジットカードやスマホ料金、奨学金などの滞納履歴も審査に影響します。これらの履歴がないかを予め確認しましょう。
現在の借入状況を把握する
金融機関は個人の借入総額を年収の3分の1以下に制限する必要があります。そのため、審査前に現在の借入状況を把握しておきましょう。
他社からの借入額が多い場合、同じ年収の人と比較して返済能力が低いと判断され、審査に通りにくくなります。借入状況が多い場合は、現在の借入を減らすことから始めましょう。
頭金をなるべく多く用意する
借入額が少ないと返済負担率が下がり審査に通りやすくなるため、頭金をなるべく多く用意しましょう。
マイホーム購入費用の1割程度を自己資金で用意できると、借入額を減らした分だけ審査に通りやすくなります。頭金を増やして返済負担率を下げれば、住宅ローン審査に通りやすくなるでしょう。
複数の住宅ローンへ同時に申し込まない
複数の住宅ローンに同時に申し込むことは、一般的におすすめできません。
金融機関が信用情報機関へ照会をかけると、個人信用情報の開示請求があった履歴が残ります。同時に申し込んだことを他の金融機関に知られた場合、「他社で申し込んでいるならうちの審査は落としてしまおう」と考えられてしまうケースがあります。
気になっている金融機関が複数あったとしても、同時には申し込まないのがおすすめです。
比較的条件が緩い金融機関に申し込む
転職したばかりの人や安定した収入のない職業に就いている人が住宅ローンを組む際は、申込条件が比較的緩いフラット35などの利用がおすすめです。
先程、多くの金融機関は団信への加入を条件としていると述べましたが、フラット35は団信への加入を条件としていません。他の金融機関より条件がやさしく審査に通りやすいといえるため、持病がある人などはフラット35の検討をおすすめします。
使っていないクレジットカードを解約する
使っていないクレジットカードがキャッシング枠つきである場合、お金を借りていなくても借入可能額を圧迫するため解約しましょう。
複数のクレジットカードでキャッシングしている場合、他社借入件数として含められてしまいます。使っていないカードを解約すれば、審査に通りやすくなるでしょう。
不安な点は金融機関や不動産会社に相談する
住宅ローン審査について不安な点は、金融機関や不動産会社に相談しましょう。
金融機関には、住宅ローン専門の窓口や電話、メールから相談できます。金利や毎月の返済額を具体的に提示してもらえるため、住宅ローンについて検討しやすくなるでしょう。
不動産会社は、新居の購入費用を把握したうえで相談に乗ってくれます。住宅ローンだけでなく、住宅に関するさまざまな不安を解消してくれるため、他にも相談したいことがある人は担当の不動産会社に相談することがおすすめです。
住宅ローン審査は職業による通りやすさが全てではない
住宅ローン審査において職業は審査項目の1つですが、どの職業に就いているかによって住宅ローン審査に通るかが決まるわけではありません。
審査に有利な職業とされる公務員や大手企業の会社員、医師であっても返済負担率が40%に近くなれば審査に落ちやすくなります。
持病がある場合や個人信用情報に問題がある場合は、本記事で紹介した対策を行い、必要に応じて金融機関や不動産会社に相談して準備しましょう。
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